SAO42-守らりたい者
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そのまま真っ直ぐホームに向かおうとしていた。そうしたら途中で、いつもは目につかない大きな木を見て足を止めてしまう。
「あれは……」
それはきっと、木の下で体育座りをしている鋼の騎士が目に入ったからなんだろうと決めつけた。
赤の戦士と何かがあったのかはわからないけど、いつもの鋼の騎士じゃないことは感じられた。それに放っておけなかったので声をかけてみた。
「おーい、鋼の騎士ー」
鋼の騎士はこちらに反応して顔を上げ、どこか無理に微笑んでいた。
「あ、白の剣士さん」
「さんづけはなしって、まだ慣れないかな?」
「すみません。本当にすみません」
「いいよ、別に無理に呼ばなくてもいいから」
「はい、すみません」
勝手に隣に座ってしまうけど、鋼の騎士は何も言わなかった。近くでみるとやっぱり元気がない。いつも元気で明るいキャラってわけじゃないけど、沈んでいることは確かだ。それを私に悟られたくないのか、気を遣っているから無理に笑って迷惑かけないようにしている様子だった。
鋼の騎士が沈んでいるのはやっぱり赤の戦士が入っているはずだ。
「……ちょっと前にさ、赤の戦士と会ったんだよね」
「え……」
「なんかいつもより苛立っていたみたいだし、鋼の騎士も一緒にいなかった」
「それは……」
「私でよかったらさ、話を聞くよ。赤の戦士と何があったの?」
「白の剣士さん……」
私が首を突っ込む話じゃないんだろうけど、元気がなく沈んだ鋼の騎士を見たからには放っておけないし、手助けぐらいはしたい。私にできることがあるなら、やってみたい。だから私は鋼の騎士の話を聞く。
鋼の騎士は「ごめんなさい」と謝罪をして、話をしてくれた。
「赤の戦士さんが苛立っているのは、わたしが余計なことをしたせいで口論になってしまったんです」
「余計なこと?」
「はい。今日も皆さんと同様に赤の戦士とマッピングを行っていたんです。わたしがスイッチの引き金となって赤の戦士さんが留めを刺す。わたしが盾で赤の戦士さんが斧として役割を果たしていました」
二人は性格も反対で戦闘スタイルも反対だ。鋼の騎士が言っていたように、守りの盾の役目である鋼の騎士、攻撃の斧の役目である赤の戦士の二人は相性としては抜群じゃないかと思う。
「ですが、今日はちょっとドジをしてしまいました」
「役割通りにいかなかったの?」
「そういうわけではないのです。わたしのせいで……赤の戦士さんを怒らしてしまったのです」
鋼の騎士の顔が歪む。後悔をした表情で話を続けた。
「鳥類モンスターの奇襲攻撃に赤の戦士さんは気付かず、わたしは盾を構える時間がなかったから、赤の戦士さんを突き飛ばすような形で奇襲攻撃を庇いました」
「だ、大丈夫?」
「大丈夫です。
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