SAO42-守らりたい者
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かれたいと思っていないんだ。まるで孤独でも生きていけると豪語するかのように、漆黒はあっさりとしていた。
「私は……」
本当はこう言うことは言うべきじゃないけど……。
「私は敵じゃないし、味方だから」
でも、こういうことは言ってもいいと思った。彼女が孤独なら私はその独りから解放したい。お節介でもいい。どれだけ罵られても構わない。だけど、私はどうしても貴女を独りにはしたくはなかった。
「……そう言うことは私ではなく、もっと別の人に言うべきではなくて」
「え?」
「早く帰りましょう。いつまでもこんなところにいたくない」
「あ、うん……」
てっきり拒んだり否定したりするかと思っていたけど、意外とあっさりと落ち着いたところに落としたな。
なんでだろう……漆黒だったら、否定してもおかしくはないのに……なにか思うところでもあるのかな。考えたところで漆黒の何かがわかるとは思えない。教えてもらうことなんてないのかもしれない。それでも、いつかわかる日がくるのだろうか。そ明日さえも、数時間先さえも見えないのに……。
先ほどの言葉を聞いた影響からか、少しは気遣いをしようと振舞ったのだけど……。
「ちょっと! 今は流石に危なかったわよ!」
「よく避けられたわね。奇襲を仕掛けるつもりでやったのだけど……」
「なんで急に今までとは違うスイッチをするの!? たまたま避けられたものの、一歩間違えれば単なるPK行為だったわよ!」
「一度試したかったのよ。指示なしで後ろから居合いで斬ろうとしたら、避けられるかをね」
「お願いだからもう二度とやらないで、心臓に悪い!」
「でも、避けられたからまたやるから肝に銘じてね」
「ねぇ聞いてた!? 何度もできないから! 聞いていたよね!?」
モンスターとエンカウントした頃には漆黒の印象は元通りになり、気遣う気持ちは一瞬で消えてしまった。
●
「な、なんとか街へ戻れた……」
今日はもう野宿していいくらい、私は街の入り口で寝転びそうになった。
あ、あの女……実験などと言って、私が回避する前提で二・三回背後から合図もなしに攻撃してきやがって、悪魔かあいつは。避けるのは誰よりも得意ではあるけど、背後から無言で斬りかかるのを察知して避けられるとか無茶苦茶すぎて泣けるわよ。普通に無理なんだから、それを漆黒にわかってほしいわ。
幸い、失敗したと時は寸前でカタナを止めてくれたのはありがたい……いや、そうじゃなきゃ困るって、お互い。それでも結局は「やめましょう」と言うまでやり続けるあのチャレンジ精神はなんなの? 合図もなしに背後から斬りかかるカタナを避けるなんて、普通は無理なんだからもう二度とやらないでほしいわ。
体力よりも精神的に疲れた私は一先ず漆黒と別れる。私は
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