16話 エースとビギナー 3.6
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だ裏で手引きする感じではあるけど・・・」
コウは驚愕した。志願兵としてはニュース程度で派閥争いについては何となく知っていたが、巻き込まれた今が自分の想像を遥かに超えていた。コウは恐る恐る核心突いたことを聞いてみた。
「・・・つまり、このジオンの来襲はブレックス准将の対抗する連邦派閥の手引きと」
「そうだ」
コウは唸った。元々正義感あって連邦軍に志願したので、その様な卑劣な行為を到底認められなかった。アムロは彼の純粋さを心配し、付け足して言った。
「人は損得勘定する生き物だ。駆け引きは必要な時はある。それをいい方に活かすこともできたりもする。現にオレは各地のジオンとの戦いで多くのジオン兵を説得し、なるべく死傷者を出さずに平定してきた。その中には騙して降伏させたりもしたことはあったさ。それでも人が死ななければと思った」
アムロは一息置いた。そして話続けた。
「これはオレのエゴだが、自分にとって気持ち良いことをしたと思っている。今のところ皆が自分の正義に共感している。そういうあざとさを身に付けて、視野を広げていくことも良い軍人を目指すものとして必要な資質だと思うよ」
コウはアムロの話を聞いていた。世の中はそんなに単純ではない。自分が思う正義が世の正義ならばとっくに戦争など終わり平和な世の中になっているはずだと。しかし現実はそうではない。
コウはアムロの言うことを今は理解できなくても、考えていく姿勢は大事だと考えた。
ガトーはアムロに蹴り飛ばされた衝撃で傍の建物に突っ込んでいた。
ガトーは一瞬何が起きたかが分からなかった。
「・・・っつ、一体どこから攻撃を・・・」
ガトーはガンダムを瓦礫の中から立ち上がり、周囲を見回した。
すると、先ほどまで圧倒していたガンダムの隣にジム・カスタムが1機いた。
ガトーはあのジム・カスタムにここまで吹っ飛ばされたと気付いた。
「・・・増援か。どうするか・・・」
ガトーは一瞬考え、1機のガンダムは元々操縦者の力不足で戦力にならないと判断し、応戦することに決めた。
ガトーは再びサーベルを構えた。
「さて、この最新鋭のモビルスーツ相手にジム・カスタムがどこまで相手できるかな?」
アムロもサーベルを構えた。アムロはコウを後方に下がらせた。
ガトーのガンダムはホバー走行ができた。その性能を活かしてガトーはアムロに鋭い一撃を放った。
「フハハハハ・・・もらった!」
ガトーは目前まで動かないジム・カスタムを捉えていたが、ガトーの鋭い打ち下ろしをアムロは体捌きのみで躱した。
「なっ!」
ガトーは驚いたが、一瞬で次の攻撃に移っていた。ガトーはサーベルの持ち手でジム・カスタムの顔を狙った。しかしそれもアムロはガトーの後ろに
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