第6章 流されて異界
第130話 赤い瞳
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最初の死者が撮った写真の中心に写っていたら、其処に行くしかないでしょ」
まして、この一連の事件の起きた場所……この旅館の位置も含めて、その場所をそれぞれ東西南北に当てはめて線を引くと、その中心に当たるのがあの公園。これだけの情報があるのなら、その事件の起きて居る時間――
この四年の間は、冬至が起きて居る正にその時間帯に事件が起きて居る以上、今年もその時間帯に事件が起きると考えて間違いない。そう考えて、万結が合流した後は、昨日からずっと動き詰めだった身体を休息させたのですから。
ここまではチームとしての理由。
そして、ここから先は俺個人の理由。
あの赤い瞳には見覚えがある。最果ての絶対領域。ハルケギニアから追放された際に送り込まれた世界。すべての世界に隣接すると言われている世界で出会った蛇。まるで世界樹のような巨木に纏わり付き、その樹を枯らそうとしていたかのような蛇の瞳にそっくりだったような気が……。
確かに、現実的に考えるのならば蛇の瞳に似たような、などと言う曖昧な物はないと思う。多分、人間の目から見ると、すべての蛇の瞳がそっくりに見えると思うから。
そう思うのだが……。
……矢張り気に成る。
「あんたの事だから、あの瞳の正体にもある程度の察しは付けているんじゃないの?」
嫌な思い出。実際、殺されていたとしても不思議ではない状況を思い出し、知らず知らずの内に眉根を寄せていた事に気付く。
あの状況ではハルケギニア側では俺を蘇生させる事は不可能。そもそも、死体が存在して居なかったから。残して来た右腕を触媒にしての再召喚が一番確実なのでしょうが……。
それも未だ為されてはいない。
少し……。かなり悪い方向に徐々に思考が傾いて行く。
いや、俺は未だ負けた訳ではない。少なくとも俺は未だ戦っている。戦っている間は、未だ本当に負けた訳ではない。
「ちょっと、聞いているの!」
ほとんど自らに言い聞かせている状態。正に、心ここに在らずの俺。そんな俺に、少し苛立ったような彼女の声。
「あ、ああ、聞いている。あの赤い瞳については――」
聞いては居るが、考えてはいなかった。そう言う雰囲気が良く分かる答え方。
ただ、あの最果ての絶対領域で見た赤い瞳を持つ巨大な蛇は、その自らの尾をかじる、と言う姿からウロボロスに類する蛇だと思います。が、しかし、今回の召喚事件で犬神使いの青年が召喚しようとしているのは多分、そいつではない。
アレは……。
「おそらく蛇神。それも現在まであまり詳しい情報の残っていない正体不明のヤツ」
もしかするとあの青年の魂の部分。平安時代の関東圏。蝦夷との戦いの最前線辺りで生きて居た人間に取っては有り触れた神なのかも知れませんが、現
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