第6章 流されて異界
第130話 赤い瞳
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の戦闘シーンをつぶさに思い出せばこの結論に到達したとしても不思議ではない。
ただ……。
「あれはハルヒの所為やない。決められる時に決めなかった俺の所為。それ以上でも、以下でもない」
確かにある程度の説得は必要。有無を言わさず倒して仕舞っては相手に悪い気が溜まる一方で、何時まで経っても浄化など出来ない事になる。
しかし、それは話が通用する相手まで。あの犬神使いの魂は千年以上も前に殺され、その後、ずっとその恨みを持ったまま庚申塚に封じ続けられた魂。おそらく其処には、今回ヤツが召喚しようとしている邪神のアプローチもずっと受け続けた事でしょう。更に、魄の部分はかなり脆弱な精神の現代人だと思うが、肉体部分に関しては人語の通じないクトゥルフの魔獣。コイツに関しては一切の交渉など不可能。
魂の存在から見れば現代人など、直接自分と関係のない、まるで異世界の人間。
肉体を構成する存在から現代人を見ると、それは餌。それ以上の存在ではない。
今となってなら分かる。あいつらには最初から交渉の余地などなかった、と言う事が。
……だって、と小さな声で何か言い掛けて、そのまま黙って仕舞うハルヒ。
「まぁ、ハルヒが表面上はどう装うとも、根っ子の部分では未だリアリストだったと言う事が分かっただけでも今回のミスは価値があった、と言う事やから」
最終的に邪神の顕現さえ許さなければ何とかなる。
普段と同じ、少しいい加減な雰囲気で答える俺。但し、相手……犬神使いと、それ以外の出方が分からない以上、今夜は何が起きるか分からない状態。
今のトコロ分かっているのは、今回の邪神召喚で必要な条件は生け贄が最低、後一人必要だ、と言う事だけ。まして、生け贄が捧げられる時間もおおよその時間は分かっている。
距離がどの程度の影響を及ぼすか分からない以上、今、生け贄に求められている条件は、公園から西の方角に住む土の属性を持つ人間と言うただひとつ。
尚、大きな意味で言うと人間はすべて土の属性に分類されるのですが……。
流石にこれ以外にも、俺たちが気付いて居ない条件と言う物が有ると思うのですが……。しかし、流石にこれ以上、誰かを召喚作業の生け贄とさせる訳にも行かない。
確かに、俺たちには全人類を護らなければならない謂れはない。まして、例え生け贄を得られたとしても、ハルヒを生け贄として捧げられない限り、危険な魔物や邪神が顕現する可能性は非常に低い。
現在、昨夜の犬神使いや、犬神は現われて居ますが、あいつ等は神格も能力も非常に低いが故に顕現する事が出来ただけ。高位のモノが今回の召喚に応じて顕われる事はないでしょう。
それぐらい、今回の邪神召喚には根本的な部分に瑕疵がある、と言う事。
しかし、それはそれ。昨夜ヤツ
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