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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第130話 赤い瞳
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がどうのこうのと跳び出した途端に始まった事件。有希が、何らかの事件が始まる可能性があると言った十二月十八日に始まった事件。そして、相馬家所縁(ゆかり)の者に取っては、承平天慶の乱(じょうへいてんぎょうのらん)に関わりの有る事件は絶対に見過ごす事など出来ないはず。そう言う事件が起きて居る地に招き寄せられた相馬さつき。
 これだけの御膳立てが、単なる偶然によって整う可能性は低い。まして、球技大会の時には、そう言う御膳立てを簡単に整える事が可能だと思える相手とも遭遇している。

 もし、ヤツ(這い寄る混沌)の目的が、犬神使いが意図して居る目的と違う場合。いや、具体的にハルヒに対して何らかの働きかけが行われる事を期待しての事件だった場合は……。

「何。何か気に成る事でもあるの?」

 何を深刻そうな振りをしているのよ。本当は何にも考えていない癖に。
 状況が状況だけに、普段とは少し違う対応のハルヒ。しかし、そのすぐ後に、余計な言葉を継ぎ足す事は忘れない。

 ……深刻そうではなくて、本当に深刻な状況と言うヤツなのですが。
 有希やタバサとの行動が多かった上に、元々、俺は俺と同格や、少し年上の仲間と行動する事が多かったが故に、どうしても場の雰囲気に対する配慮が足りない面があるのかも知れない。
 知らず知らずの内に、眉根を寄せて真剣な表情でハルヒを見つめていた事を少し反省する俺。

 ただ、そうかと言って……。

「あぁ、そろそろ腹が減ったかな。そう考えていたんや」

 この事件の本当の狙いはお前かも知れない。……などと言う訳には行かない。まぁ、俺に言われたとしても、普段の言動が冗談半分、真面目が半分ぐらいの感覚なので、完全に信用されるとは限りませんが。
 ただ、この場で俺の口から出る情報は、普段の俺の言葉の五倍増しぐらいの説得力がある可能性もありますが……。
 この場で、霊的な事件に対する経験が一番多いのは俺か有希。但し、ハルヒが信頼を寄せているのは、口先では何を言って居たとしても間違いなく俺。

 その俺が難しい顔をして居ては彼女を不安にさせるのも仕方がない。

 そう考え、場の雰囲気と自らの思考を変える為のこの言葉。もっとも、相変わらず、その場の思い付きの台詞。
 但し、現実として昼飯抜きだったのは事実。
 更に……。

「ほら、別行動だった万結も合流したから」

 御預けだった昼飯に行くとするか。
 公園の表の入り口方向からゆっくりと近付いて来る神代万結を指差しながら、そう続けたのでした。


☆★☆★☆


 室内に漂う木の香り。温かな電灯色の明かり。
 但し、本来はふたり以上の泊り客用の部屋は、俺に取っては広く、そして和室としては、少し冷たく感じる部屋であった。

 普段
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