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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
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出てきたら駄目だ。……出てこないでくれ。シノン」

 決してそちらの方を見ずに、そう一言だけ返す。
 複雑な心境。……本当に、複雑、だった。自分自身の考えが正しかったのなら、こう言う状況に、こう言う場面になるのは判りきっていた。そして、それを回避する方法、手段も考えられなかったから。


                                                                                     
















 誌乃が外へと向かおう。その勇気が辛うじて持てたのはついさっきの事だった。

 男のモノ、喧騒が聞こえた瞬間、誌乃は身体が硬直した。

 死銃の1件があり、この住み慣れた、と言ってもいい部屋の1つ1つを調べるのだけでも、恐怖に駆られたと言うのに、今 外へと向かおう等と思える筈がない。……部屋の玄関がまるで怪物の口の様に思えてきたのだ。……悪夢と言うなの怪物の。

 目も耳も塞ぎたかった状況だが、それだけは我慢をしていた。外にいるのが誰なのかは知る必要があったから。



『僕の朝田さんに、僕の朝田さんにぃぃぃぃ!!!!! 近づくなぁぁぁぁぁ!!!』



 絶叫。巨大なスピーカーがハウリングを起こしたかのような、鼓膜を劈くような音量が響いてきたのだ。……その声、それは知り合いのものだという事をシノンは気づいた。

 一歩、前に進む事が出来た。そして、次に聞こえてくる声。



『なぜ、なぜだ? なぜ、彼女に手をかける?? シノン、いや 誌乃の苦しみをお前も知っている筈だろ!?』



 もう1つ、別の声が聞こえてきた。これも、勿論知っている声。……早く聴きたかった声でもあったのだから。あの世界で共に戦った仲間の1人。本当の意味で、仲間と言う存在を知れた切欠の男の人。……強さの意味を教えてくれた人。
 本当なら、その声を訊けただけでも 嬉しい筈だった。本当に来てくれたのだから。だけど……今は それどころじゃなかったんだ。









 そして、場面は再び戻る。現実世界での修羅の場へと。

「しん、かわ……くん。なん、で……?」

 今、誰が来ているのかは判った。……でも、判らない事はある。会話の流れから……死銃の片割れの正体が、新川恭二 と言う事になるのだから。
 
「アサダサン! アサダサンはダマサレテルダケ ナンダ!!! ボクガ、ボクガ、コンナヤツ、オイダシテヤル!!! アサダサンの、中カラ! デテイケェェェェ!!!! アサダサンを、愛シテイルノハ、ボクダケナンダぁぁぁ!!」

 馬乗りになっていると言うのに、その下でがむしゃらに抗
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