暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
[13/19]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
今が一番イイ所だろ? 取り戻せるんだぜ。そろそろ起きろよ」

 昌一の言葉に反応したのか、或いは 誌乃がいるからなのかは判らない。だけど、焦点の定まっていない歪な瞳が 同じく歪な光を宿した。

「ぐっ……ぁ、アサダ……サン、アサダサンッ!! アサダサンにサワルナァァ!!」
「って、おいコラ! オレだオレ。こっちに抱きついてくんじゃねえよ!」

 隼人の事だと思ってるんだろう。まだ正気とは言い難い。だが、それでも昌一は無理矢理に恭二を誌乃の方へと向けた。

「オレは、鬼と楽しむから、お前に女はやる。したい事をさっさとしろってんだ」

 どん、と背中を押し、恭二を押し出した。 その先には、誌乃がいる。昌一の眼には、まだ震えて動けない様に見えていた。

「……アサダ、サン。アサダサン!!!」

 恭二の眼にも誌乃の姿が映った。眼の中には 隼人の事。誌乃を奪ったと思い込んでいる隼人の姿は消え去り、完全に誌乃の姿だけとなっていた。

「ぅ……ぐ! く、ぐっぅう!!!」

 隼人は、それを見て懸命に立ち上がろうとするが。

「お前の相手はオレだぜ? 鬼よ。……さぁ いつか言った約束(・・)を果たさないとな。……オレと被ってた その眼(・・・)現実世界(こっち)で 抉りとってやるってよ?」

 不敵な笑みを見せる昌一。
 
 あの世界でのそれと、全く変わらない歪な笑みだった。



 隼人事、リュウキ。……そして RYUKI。


 彼にとっての因縁。一方的なものだが、それは、SAO時代だけじゃない。

 天才プログラマーである《RYUKI》としても、因縁があったのだ。

 かつて、病弱だった故に 跡取りは完全に弟に方向転換され、親から本当に雑に扱われた。それでも、総合病院のオーナーとしての世間体もあるのだろう。ニュースざたになる様な虐待まがいな事をしていた訳ではない。
 だが、それでも思春期だった事もあり、親への反抗心も相余って非行に走る様になった。それが、ネット上でのサイバー犯罪だ。




 ハッキングをしての 不正入出金。ウイルスを作って、それを裏ルートを使った売買。そして、ネット上での詐欺行為。……昌一は稼ぐ為に様々な行為に手を染めた。そして、それは それなりに収入があり、且つこの現代社会、ネット社会だと言うのに 足がつかなかった。それ程までに 練りに練った計画だったから。仲間を募い、誤った方向へだが、築き上げてきたものだったから。

 だが、それは突然終わりを告げた。

 その原因。昌一らにとっては、諸悪根源だと言える存在が《RYUKI》の名だった。この業界で、在り来りな名前だが、その名前を知らない者はいないとさえ、されている。
 そのRYUKIが 制作したセ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ