暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第208話 最後の戦い
[12/19]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
だったんだ。
もしも……今 自分が
あの時
(
・・・
)
のままの自分であれば、どうなってしまうか。考えるまでもない。焦点がぼやけ、完全に失って、その闇の世界の中に再びあの時の男が姿を現すだろう。額に銃痕を残し、眼からも血を流しているあの男が。
――でも、もう 違うよね。もう……私達は。
誌乃の中に、あの男の代わりに あの世界での自分が。……シノンが現れた。
――私達の闇は……、あの世界で、終わった筈だよ。
そう、壊してくれた。……全てを 闇の全てを
あの銃
(
象徴
)
と共に、闇を封じてくれた。だから、自分の心は救われた。……彼に。……彼らによって。だけど、昌一は違うんだ。
――今は、自分が出来る事を、するだけ。……彼には、隼人には おごってもらったよね? 本当に、沢山……沢山……。だから、今度は私が、私達がしなきゃ。私達が……しなきゃ。
突然の出来事。連続での驚きと衝撃。再び心が折れそうになりかねなかった時、誌乃の中で あの世界でもつ事が出来た勇気が、再び自分の足を動かそうとしていた。
あの世界で戦ってきた彼女が、へカートを携えた薄い青色の髪の少女が手を貸してくれた。
「さぁて、どうせ コイツの事だ。……警察でも読んでるんだろ? ……さっさと決着をつけないとな? 鬼よ」
足で 何度も隼人の頭を踏み抜く昌一。
「……ぐっ」
「ははっ! あの世界じゃ、毒ナイフなんざ、受ける鬼じゃなかったんだがな!」
SAO時代のリュウキは、ラフコフにとっては まさに《鬼》と言っていい存在。その力は、PoHも、死神も、畏れさせる程だった。そんな男の上に立っているのだ。得も知れぬ優越感が昌一に、ザザにはあったのだ。
「……し、の」
必死に身体を動かし、見ていたのは昌一の方ではなく、誌乃の方だった。
「ははっ 閃光の片方の娘とは別れたってのか? ええ?」
何度も蹴りを入れる昌一。
倒れつつも、身体をくの字に折ってしまう隼人。昌一の蹴りは、頭の次に、何度も何度も隼人の腹へとあたっていたのだ。
その鈍い痛みのおかげもあり、途切れかけていた意識を繋ぎ止める事が出来たのだ。まだ、全身が痺れる様な感覚は取れなかったが。
「(スタン、ガン……ッ)」
昌一の右手に持たれている黒い塊を見て、察した。金属部分には、昌一が スイッチを入れているのだろうか、ばちっ、と言う音を響かせながら、空中放電を繰り返していた。
「逃げ、ろ……、し、しの……ん」
何度も何度も誌乃に向かって隼人はそう言っていた。
「……さて、おい。恭二」
昌一は、視線をまだ倒れている恭二へと向けた。
「お前は いつまで寝てんだ?
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ