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RSリベリオン・セイヴァ―
第十二話「貴公子、暴かれる」
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の机の上に待機状態になった球体と、二刀の刀が置いてあった。
「あれ? これは?」
「あ、これはね? 狼さん達のISですよ?」
「でも、どうして弥生ちゃんが?」
「私、狼さん達のISの専門整備士なので、いつもこうしてあの方たちのISの調整を時折しているんですよ?」
「へぇ? すっごいね! やっぱり……」
「え?」
最後に呟いた彼の言葉に振り返る弥生だが、そこをシャルルが何でもないように言う。
「何でもないよ! それより……もっと、間近で見てもいい?」
「ええ、興味があるならどうぞ?」
「じゃあ……あ、狼達だ!」
「へっ……!?」
ふと、顔を赤くして玄関へ振り向く弥生だが、その背後から激しい衝撃が彼女を襲った。
「はうぅっ……!」
酷いめまいと共に弥生は、床に倒れた。そして、倒れた弥生の後ろにはシャルルが立っている。
「ごめんなさい……!」
女性の口調へと戻ったシャルルは、机に置いてある待機状態の球体と二刀の真剣に手を触れようとしたが、なぜか見えない壁に塞がれて触れない。たしか、弥生は制服の胸元から紙のようなものを出していた。
「えっと……これかな?」
シャルルは、弥生の胸を揉むように探り始める。
「あぁ……」
ビクンと震える弥生に、一瞬驚くも起こさないように慎重に探ると、そこから数枚の御札を手にした。
「私より胸がでかい……じゃなくて、この紙だよね?」
日本の漢字が書いてあって何の意味かはわからないが、とりあえず最初に目についた札を机に近づけた。すると、
「あ、できた!」
RSを囲う結界は解除されて、シャルルは目の前のRS全部を両腕に抱えて窓へ乗りだした。
「……!」
そして、彼女の戦用ISラファール・リヴァイヴ・カスタムIIが夜空を舞った。
「弥生! 無事か!?」
しばらくして、狼達がバタン! と、ドアを開けて目の前で倒れている彼女を見つけた。
「弥生!?」
狼は、弥生を抱え起こして揺さぶった。
「ろ、狼君……?」
「ああ、俺たちのRSがない!?」
清二が机に置いてあったはずのRSがないことに目を丸くした。
「そ、そんな……机の上に置いて……まさか!?」
弥生は、背後から襲われて気を失ったことに心当たりを抱いた。
「もしかして……シャルル君!?」
弥生の言葉で狼達は目を丸くさせる。そして、ラルフはそのあとに憎悪に満ちた顔をした。
「正体を見せたか、女狐……!」
ラルフは、風が通る窓辺を睨んだ。

――やっと、これで元の私に戻れる
夜空を飛行するシャルロットは、両腕にしっかりとRSを抱えていた。
「これをお父さんに渡せば……!」
しかし、突然彼女が大事に抱えるそれらは眩い光を発した。
「な、何があったの!?」
気付いたころには抱えていたはずのRSが腕の中になかった。

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