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RSリベリオン・セイヴァ―
第十二話「貴公子、暴かれる」
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「シャルル君、今から探しに行こうとしていたところなんだよ? ニ十分経っても来ないから心配したよ……」
「ご、ごめん……ちょっと慣れないことが多くて。でも、狼が一緒に探してくれたから助かったよ」
「そうなんだ。それはよかった……狼君、あがっていかない? シャルル君を案内してくれたお礼としてお茶でもどう? いいよね? シャルル君」
「うん、もちろんだよ。狼、せっかくだから上がってよ?」
「え……じゃあ遠慮なく?」
ラルフとうまい具合に会話する自信はなく、このまますぐ自室へ帰りたいところだが……無理に断ったら何かと怖いので、仕方がない。お言葉に甘えてお茶でも呼ばれるか。
「何がいい? 狼君」
冷蔵庫を開けて、冷やしてある缶ジュースらを宥めるラルフは俺へと振り向いた。
「あ、何でもいいよ?」
「サイダーでもいい?」
「ああ……」
「シャルル君は?」
「じゃあ、オレンジジュース」
「はい」
俺たちは、三人並んでジュースを飲みながら雑談を始めた……と、いうよりは俺とラルフが喋るだけで、横のシャルルは苦笑いしながら聞いているだけであった。
まんまとラルフの話術に引きずりこまれて、彼のペースに流されてしまった俺は、べらべらと物を喋ってしまう……
「……そうなんだ? じゃあ、君はそのセシリアって言う代表候補生の娘に勝って、織斑君は凰っていう中国の代表候補生に勝ったんだ……大変だたったね?」
「まぁ……大変なのかはわからなかったな? あの時は無我夢中だったから」
「でも、最後まで諦めずに戦い抜いたのは凄いと思うよ? ね、シャルル君」
と、ラルフのスマイルがシャルルへと向いた。
「……え、あぁ! うん、凄いよ!!」
話を聞いていなかったのか、少し慌てた表情をしてから頷きだした。
しばらく雑談が続いた後、俺は二人と別れて部屋へ帰っていった。
――ラルフか……そんなに悪い奴じゃなさそうだな?

翌日、俺が見てラルフはそれほど変な行動をとることはないし至って普通の優しい好青年といった感じだ。おまけに美青年というから女子たちには人気であり、一夏と一、二を争うほどの勢いだ。
そういうわけで俺たちは、ラルフが単にリベリオンズから来た好青年というイメージで受け止め、彼に関しては何の考えもなく同じ仲間として親しく接していた。

「シャルル!」
ある放課後、一夏はテンションを上げながら学食で夕食を取るシャルルの元へ現れた。
「どうしたの? 一夏」
「さっき、山田先生が大浴場で男湯が出来たって言ってたから、シャルルを誘おうかと思ってさ?」
「え、えっ? ぼ、僕と!?」
級に顔を真っ赤にしてシャルルは驚いた。
「ああ……俺とじゃ、嫌か?」
苦笑いする一夏だが、シャルルもこれ以上変に思われたくないため、覚悟を決める。
「わ、わかっ
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