第1章:平穏にさよなら
第17話「悔しさ」
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頭が痛い。体も痛い。...でも、それよりも、奴らを逃した事が嫌だった。
「終わった....の?」
「くぅ.....。」
神咲さんも座り込んでいる。久遠は...子狐に戻っていた。
「ぐすっ....ひっぐ.....。」
かやのひめさんは、未だに薔薇姫さんが存在していた場所で泣いていた。
...誰も、彼女に話しかけない。そんな余裕もないし、何より、友人が目の前で死体すら残さずに消えてしまった事になった彼女に、声を掛ける事なんてできない。
「....リヒト...。」
「....シャル...。」
僕と、僕と同じように怒りに震えていた緋雪が、それぞれのデバイスに声を掛ける。
〈...魔力波長は既に記憶済みです。〉
〈...いかがなさいましょうか?〉
リヒトが僕に、シャルは緋雪にそれぞれ返事する。
「...一種の、復讐だよ。あいつらを何としてでも見つけ出して、然るべき償いをさせなきゃ。」
「それまでに、私達は強くなっておく。」
どの道、奴らはかやのひめさんを狙ってきたんだ。また、現れるだろう。
...その時、絶対に捕まえてやる...!
「....優輝君、緋雪ちゃん....!?」
唐突に、名前を呼ばれる。
「...司、さん....?」
名前を呼んできたのは、司さんだった。見れば、バリアジャケットを纏っている。
「次元犯罪者が現れたから来たんだけど....これは...。」
この場にいる人達を見渡しながら呟く司さん。
「...その犯罪者に、襲われたんだ。」
「っ、やっぱり....。」
申し訳なさそうな顔をする司さん。...別に、司さんはなにも悪くない。責任を感じているだろうけど、どの道あいつらの所為には変わりない。
「えっと、時空管理局です。話を、聞かせてもらえますか?」
「あ...それ言うの忘れてた....。」
金髪のツインテール...フェイト・テスタロッサもいたようで、僕らにそう言ってくる。
「...分かりました。」
「でもお兄ちゃん、他の人達は...。」
神咲さんと久遠は大丈夫だろう。でも、かやのひめさんは....。
「...彼女に、なにがあったの?」
「...目の前で、大切な友人を殺されたんだ。」
聞いてきた司さんに、簡潔に伝える。
...未だに、かやのひめさんは薔薇姫さんが持っていた折れたレイピアを握り締めている。
「...あの....。」
「...なによ。」
テスタロッサさんが話しかけるも、何も受け付けたくないような声で返事を返す。
「...事情を聞きたいので、つい
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