第1章:平穏にさよなら
第17話「悔しさ」
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ゃんと非殺傷設定にしてある。
「...シャル、行けるよね?」
〈お嬢様なら、どこまででも。〉
ありがたい程に大した忠誠心だ。なら、やろうか。
「行くよ...“フォーオブアカインド”!!」
大きな魔法陣が展開され、私が四人に増える。フランのスペルカードが基になっている魔法なんだろう。
魔力が四分の一にまでごっそりと減るが、気にしない。
「“過去を刻む時計”!」
「“カゴメカゴメ”!」
「“クランベリートラップ”!」
本体の私以外の“私”が、それぞれ魔法を放つ。その間に、私はお兄ちゃんの下へと行く。
「...お兄ちゃん、もし、私が止まらなくなったら、よろしくね。」
「.....分かった。」
私の意を汲み取ってくれたのか、頷いてくれるお兄ちゃん。
...これで心置きなく斃せる...!
「“禁忌《レーヴァテイン》”...!」
魔法だと大剣程度だけど、スペルカードのつもりでレーヴァテインを展開する。...まぁ、単なる神社の境内一帯程度を薙ぎ払えるぐらい大きな大剣を創りだしやすくするための言葉なんだけどね。
「さぁ...簡単に、コワレないでね?」
弾幕で翻弄されている奴らへと、レーヴァテインを振りかぶる。
「.....あれ?」
レーヴァテインを振った時に気付いた。奴らの数が減っている。おかしい。
〈お嬢様。結界が書き換えられ始めています。〉
「結界が?」
見てみると、奴らは次々と転移魔法で逃げており、結界が私達を閉じ込めるものじゃなくなっている感覚がした。
〈...書き換えから、解く方に変えました。〉
「...奴らが逃げた事に気付いたのかな。」
既に、奴らは全員逃げてしまった。弾幕に晒されている奴に転移魔法を使う暇はなかったはず。なら、バックに誰かが居たって事かな。
「みすみす逃した...!」
〈お嬢様...。〉
分身した私達が魔力に戻って私に還ってくる。
「...ち..さいよ...!待ちなさいよ!返してよ!!」
かやのひめさんが泣き叫ぶようにそう言う。
「薔薇姫を!私の友人を、返しなさいよっ!!」
「かやのひめさん....。」
「っ......!!」
お兄ちゃんが心配するようにかやのひめさんの名を呼ぶ。
...私は、結局奴らを逃してしまった事が、悔しくて、悔しくて、ただ怒りに震える事しかできなかった...。
=優輝side=
「くそ.....。」
結界が解かれる。それと同時に、僕はその場に座り込む。
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