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戦国異伝
第二百三十二話 本能寺においてその一
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                 第二百三十二話  本能寺において
 都に入った信長は信忠を連れて朝廷との話を進めた、彼自ら公卿の家々を訪問しまた本能寺や二条城にも招いてだ。 
 彼等と盛んに話をしてだ、二つの話を進めていた。
「幕府をですな」
「うむ、開く」
 本能寺に来ていた長益にだ、信長ははっきりと答えた。
「安土においてな」
「では兄上はそこにおられるのですな」
「将軍としてな」
「左様ですか」
「大坂城はこのままじゃ」
「城代を置かれるのですな」
「江戸城、名古屋城と同じくな」
 この二つの城と同じ様にというのだ。
「城代を置く、収める仕組みはな」
「これまで築かれたものを」
「使う、老中や若年寄を軸にしてな」
「そうされますか」
「定めた通りじゃ、そしてな」
「上様が征夷大将軍になられる」
「本姓は源氏に替える」
 今は平家であるがだ。
「この時の為に桐の紋も授かっておったしな」
「足利殿から」
「あの時に既に考えておった」
 義昭からだ、それを将軍にしてくれた褒美として受けたその時にというのだ。
「ここで使える様になった」
「あの時にもう考えておったのですな」
「それでここまで至った」
「幸いにして」
「そうじゃ、それならばな」
「いよいよですな」
「幕府じゃ」
 これを開く時になったというのだ。
「これより天下の政を本格的にはじめる、そして」
「朝廷の官位もですな
「前は右大臣であったが」
「それが」
「太政大臣じゃ」 
 それになるというのだ。
「いよいよな」
「ですか、遂に」
「そちらもな」
「暫く無官でしたが」
「連中を惑わせる為にな、しかしな」
「それも終わりですな」
「朝廷ともお話をしておる」
「太政大臣になることを」
「摂政関白にというお話もあったが」
 朝廷からだ、この話があったのだ。
 しかし信長この話についてはだ、こう返したのだ。
「しかし摂政関白はな」
「藤原家だけのことですな」
「五摂家のな、だからな」
「そのお話はですな」
「辞退させて頂いた、わしは太政大臣じゃ」
「それになられるのですな」
「幕府を開くと共にな」
 これまで時を置いておいたがというのだ。
「そうなるわ」
「待っておりました」
 長益は長兄の話を聞いて笑って言った。
「この時を」
「御主もか」
「全くです、何時こうなるかとです」
「茶のことばかり考えておると思ったが」
「いやいや、それがしもです」
 長益にしてもというのだ。
「やはり」
「わしが幕府を開き将軍になることはか」
「嬉しいことです」
「だからじゃな」
「はい、それでなのですが」
「うむ、その為の話を今進めておるが」
「それは順調ですな」
「帝
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