第二百八十二話
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第二百八十二話 お湯も
春奈は氷が混ざるまでに冷たい水を出す範囲を狭めて鉄砲の様に出してからだ、今度はお湯を出してみた。
今度はシャワーの様に拡散させて出した、すると。
イーもリャンもだ、主に先程とは違う微笑みで言った。
「今度は暖かいですね」
「気持ちよくなってきます」
「お風呂のお湯の様な」
「そうした感じですね」
「そうよね、だからね」
それでとだ、春奈も二匹に微笑んで話す。
「今回は拡散して出してみたの」
「冷たいお水は狭めて」
「そしてお湯は拡げてですね」
「私達の為に」
「そうして下さるのですね」
「普通の練習の時はね」
どうしてもそうしなければならない時以外はというのだ。
「こうしていくわね」
「何から何まで気を使って頂いて」
「有り難うございます」
「いや、貴方達に言われるまで」
春奈の方もというのだ。
「気付かなかったわ」
「ですがお気付きになられてからは」
「ずっとそうされてますね」
「そのお気遣いがです」
「私達は嬉しいのです」
「そうなのね、それとね」
ここでだ、春奈はこんなことも言った。
「このお湯をずっと狭いお部屋の中でこうして拡げて出していたら」
「スチームになりますね」
「熱い霧ね」
「スチームサウナね」
その霧が何かをだ、春奈は言った。
「それになるわね」
「そうですね、これは」
「面白いですね」
「冷たいお水は水風呂ね」
くすりと笑ってだ、春奈はこちらについても言った。
「面白いわね」
「そうして考えていきますと」
「確かにそうですね」
「お風呂屋さんね、私」
こうも言った春奈だった。
「ちょっとした」
「そうですね、水の魔法を極めれば」
「魔法だけでお風呂が出来ますね」
「そこまで出すには相当の魔力が必要だけれど」
それでもとだ、春奈はまんざらでもない様子だった。水の魔法を使っているうちに自然とそうしたことも考えるのだった。
第二百八十二話 完
2015・10・21
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