第十一幕その七
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「何年か前に食った分がな」
「そういうことだね」
「そうだ」
「わかったよ、君のことが少しね」
「それで満足しないのならな」
それならとも言うグソクムシさんでした。
「俺が死んでから俺の身体を調べればいい」
「解剖していいってことかな」
「その通りだ、死んだら魂が俺の身体から出てだ」
そして、というのです。
「身体は抜け殻に過ぎなくなるからな」
「それでその身体をだね」
「先生達が調べたいならな」
「調べていいんだね」
「所詮抜け殻だからな」
死んで魂が抜けたその身体はというのです。
「それならいい」
「君がそう言うのならね」
「そうするか」
「水族館の人達に話しておくよ」
「それで何かわかればいいな」
「君のことがね」
「俺にしてみればな」
こうしたことも言ったグソクムシさんでした。
「俺のことは不思議ではない」
「別にだね」
「俺は俺だ」
とても達観している言葉でした。
「不思議に思うことはない」
「そう思っているんだね」
「俺自身はな、しかし周りは違うな」
「どうしてもね」
不思議に思っているとです、先生はそのグソクムシさんに答えました。「
「思っているよ」
「ならだ」
「君が死んでからだね」
「好きに調べればいい」
そうしても構わないというのです。
「生きているうちは流石に、だがな」
「それはしないよ」
先生も約束します。
「君が望まないならね」
「俺の意を汲んでくれるか」
「そうさせてもらうよ」
「有り難い。先生はいい人だな」
「そうだといいけれどね」
「ならそうしてもらいたい」
また言ったグソクムシさんでした。
「話せることは何でも話すからな」
「じゃあもっとお話をしていいかな」
「それならな」
グソクムシさんも応えてでした、そのうえで。
先生はグソクムシさんと何かとお話をしました、そして。
グソクムシさんの診察とお話を終えてでした、水族館の食堂でお昼御飯を食べました。食べているのはスパゲティミートソースです、オリーブと大蒜が効いていてとても美味しいです。
皆もお昼を先生の周りで食べています、その中で。
皆は先生にです、こう言ってきました。
「何かね」
「あまりわらなかったね」
「グソクムシさんのことはね」
「グソクムシさん自身とお話をしたけれど」
「それでもね」
こう言うのでした。
「何かね」
「あまりだったわね」
「結構お話してくれたけれど」
「あまり愛想がいい感じじゃなかったけれど」
「それでもね」
「あまりね」
「お話してくれなかったけれど」
それでもというのです。
「先生としてはどうなの?」
「あれでわかったの?」
「先生としては」
「グソクムシさんのことが
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