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海牛
3部分:第三章
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同じくこの辺りにいた鳥だ。やはり絶滅してしまっている。
「あんなことは二度と」
「滅ぼすのが人なら護るのも人」
「そうね。罪を犯すのも徳を積むのも人」
 二人はそれぞれの言葉で述べた。
「どちらも人なのね」
「そうだよな。じゃあもう少し北に行ってみるか」
「ええ。そうしましょう」
 二人はトドやアシカ達を見つつさらに北に進んだ。するとラッコ達も見た。そのことに満足しつつさらに先に進んで。大山田はふと海辺に何かを見た。
「あら」
「どうしたんだい?」
「いえ、あそこだけれど」
 ヴィシネフスカヤの言葉にその海辺を指差して言う。
「あそこに。何かいるわ」
「!?岩じゃないのかい」
 彼にはそう見えた。見れば大きな岩場が二十程度ある。そう見えたのだ。
「あれは」
「そうかしら。岩場かしら」
「そうだよ。それか氷か」
 彼はこうも思った。
「それだよ。よくあるじゃないか」
「まあそうだけれど」
 言ってしまえばその通りだ。今も周りには海にその氷が浮かんでいる。少し見ただけでは北極と大して変わりがない。その海の中に大きな氷が二十程度あっても。それはごく自然の光景である。

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