第十一幕その八
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「それは何よりです」
「あれっ、私の名前は」
「はい、虹の精霊さんのお一人ですね」
「ご存知なのね」
「オズの国のお空の精霊さん達のことは全て知っています」
こうポリクロームにも答えます。
「既に」
「そうなのね」
「そうです、それでここにいられた理由は」
「会いに来たの」
「私達にですか」
「ええ、近くを通ったから」
こう正直に答えるポリクロームでした。
「お邪魔したの」
「そうですか、何の御用かと思いましたが」
「駄目だったかしら」
「いえ、お客様は大歓迎です」
団長さんはポリクロームににこりと笑って答えました。
「どなたでも」
「そう、よかったわ」
「そして皆さんは何故お空におられるのでしょうか」
このこともです、団長さんは尋ねました。
「一体」
「最初は私に会いに来てくれたの」
またポリクロームが答えました。
「お空に」
「あの飛行船で」
「そうなの、それでその時に雷の精霊さん達の雲で雷が止まらないから行ってみて」
「どなたかが雷を制御する雷玉を落とされたと」
「それでその雷玉を探しているの」
「そうした事情でしたか」
「そうなの」
こう団長さんにお話するのでした。
「それで私達は今お空を旅しているの」
「そうですか、事情はわかりました」
「悪いことはしていないわよ」
「そのことは承知しています」
悪いことをしていないことはとです、団長さんも答えます。
「僕も、しかし雷玉は」
「飛行船に魔法のもの引き寄せる避雷針を付けているわ」
またポリクロームがだん長さんにお話します。
「だからお空を飛んでいればね」
「そのうちに見付かると」
「そうなの」
「そのこともわかりました、ただ」
「ただ?」
「そのやり方ですとどうしても時間がかかりますね」
団長さんは考えるお顔で述べました。
「そこが問題ですね」
「旅を楽しんでるから」
「いいのですね」
「ええ、時間がかかることはね」
「ならいいのですが」
ポリクローム達がそう言うのならです。
「皆さんがそう思われているのなら」
「そうなのね」
「はい、それにしてもよくここまで来られました」
あらためてこう言った団長さんでした。
「お空のこのお城まで」
「昔はとてもね」
ドロシーがここでこう言います。
「私達お空のこんな高くまで来られなかったわ」
「今はオズの国にも飛行船や飛行機があるので」
「ここまで来られる様になったわ」
「そうですね」
「ここまで来ることも」
ドロシーにしてもです。
「想像もしていなかったわ」
「かつてはですね」
「私がオズの国に住む様になってからね」
とてもというのです。
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