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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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まで少年は淡々と言った。

「ぶつからなかったら伝わらないこともある。…………俺が言えるのはこれだけだ。後は自分で考えろ」

それだけだった。

それだけ言って、キリトは再びバギーのエンジンを吹かし、砂漠を走っていった。

―――そっか。

ズンン……!と。

夜気が細かく揺れた。

例の《咆哮》ではない。明確な、敵対の意が宿った一撃の余波の端っこが、世界そのものを殴った音だ。

だが、それすらまったく感知せず、少女は思う。

―――ボク、行っていいんだ。

あの小さな背中に並べずとも。

あの小さな背中を守るだけの力を持っていなくとも。

それでも、助けに行けないという理由にはならない。

得体の知れない力が、四肢に宿る。

悩むな。

振り返るな。

前を向け。

メキィ!という凄まじい音が炸裂した。少女の足裏が、岩山の赤茶けた岩盤に《足跡》をつけた音だった。

「確か、キリトがピンチの時にアスナがありえない速さで駆け付けたって聞いたなー」

最初は疑ってたけれど、今なら胸を張って信じるだろう。

今の自分なら、何でもできる。できる気がする。

「よぉ〜〜〜〜〜いぃ」

四肢が。

身体が。

「ドンッッ!!!」

躍動する。
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