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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
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思考した時、少女は砂漠の向こう側から聞こえてくる小さな音を拾った。それはやがて、砂煙を携えてこちらに向かう小さな影となる。
「……車?」
三輪だが、おそらくバギーという踏破力の高い車種のようだ。砂漠のため、派手に後輪から砂塵を弾き飛ばしながらこちらへと向かってくる。
目を凝らすとすぐさま索敵スキルが発動し、視界に必要な
明度
(
ガンマ
)
と、専用の双眼鏡やスコープには及ばずとも、ある程度までの
拡大
(
ズーム
)
を行ってくれる。
助手席に座るのは、夜風に揺れるペールブルーの髪を両脇で束ねた少女だった。確か、シノンといったか。
そして、運転するのは――――
バギーはユウキの眼前で止まる。運転していた黒衣のプレイヤーは、スッとこちらを見た。
「よ、お疲れ」
「そっちも」
前時代的な内燃エンジンの音を多少緩め、キリトは言う。
「……《災禍の鎧》か?」
「うん。キリトは《死銃》?」
「あぁ」
深くは訊かない。
ただ、互いの《敵》について、彼らは質問ではなく確認をする。
普通の人が聞けば、その辺の雑踏に転がっている世間話程度の口調で、何の気負いも、背負いもなく、二人は言葉を交わした。
すべてを知るなどという大言壮語は吐かないが、それでも知っているという儚い見栄くらいは張れる。
かつての六王の一角。
片方は長い間末席に居座り、片やもう一方は代理とはいえ第三席に着席した男。
両者の《見栄》は、
一般人
(
シノン
)
の細い肩を確かに震わせた。
会話はそれだけ。
二人はそれでまた、各々の物語へと戻っていく。
――――その寸前。
「ユウキ」
響くアイドリング。
その中でも、剣士の声は不思議とよく響いた。
「あいつ――――レンのこと、疑うなとは言わない。人間なんてそんなもんだ。いつだってプラスの考えでいられるわけじゃない」
疑うこともある。憎むこともある。道を違えることだってあるかもしれない。
間違えない人間などありはしない。完全に己と同一の主義主張を持つ者など存在しないのだから。
でも。
だけど。
それでも。
「お前自身はどうなんだ。許せるか?許容できるか?
あ
(
・
)
い
(
・
)
つ
(
・
)
を
(
・
)
信
(
・
)
じ
(
・
)
な
(
・
)
い
(
・
)
お
(
・
)
前
(
・
)
を
(
・
)
、
お
(
・
)
前
(
・
)
は
(
・
)
容
(
・
)
認
(
・
)
で
(
・
)
き
(
・
)
る
(
・
)
の
(
・
)
か
(
・
)
?」
「――――――ッッ!!」
弾かれたように、少女は振り返る。
激昂する眼を受け止める少年の双瞳は、湖面のように静かな闇をたたえていた。
「あいつが助けて守って一緒に戦うお前を、他でもないお前が貶めるのか?」
あく
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