暁 〜小説投稿サイト〜
姉ちゃんは艦娘
6.姉ちゃんは魅力的
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う……すごく触りたい……

「シュウくん聞いてる?」
「……ハッ?!! ごめん聞いてなかった……」
「ひぇえええ……お姉ちゃんがんばって色々話したのにぃ〜……」

いけない。これが“見とれてた”という状態なのか……比叡さんの目とか口とかほっぺたとかにばっかり気を取られてて、全然話を聞いてなかった……。

 その後、三歳児のようにへそを曲げた比叡さんのご機嫌をもとに戻すため、今度カレー屋さんでカレーライスをおごる約束をした。小遣い足りるかな……。

 この日以来、なぜか妙に比叡さんが輝いて見えるようになってきた。……いや、妙に色っぽいというかなんというか……。

 言っておくが、僕は別になんとも思ってない。思ってないんだよ。だけどこう、あるだろう。思春期の男子なら、グラッとくる瞬間が。

 一番ヒドかったのはあの日だ。テレタビーズの試合のときだ。

 その日は日曜日で、僕は午前中はずっと勉強。午後からは大滝川テレタビーズの試合観戦の予定だった。テレタビーズのヒーロー、比叡さんが試合に出るからだ。

『4番〜。サード〜。ひえい〜。ひえい〜』
「気合! 入れて!! 打ちます!!!」

 以前に僕がプレゼントした、『ひえい』の署名入りバットを比叡さんはブンブンと振り回し、バッターボックスに立つ。あのバット、度重なる比叡さんの超絶バッティングで、もう原型を留めないほどにベッコンベッコンなんだけど、それでも比叡さんは使い続けてくれて、しかもあれでホームランを量産してるんだよね……。

「比叡ちゃ〜ん! がんばって〜!!」
「はい!! 私! 頑張るから!! 見てて下さい!!!」

母さんからの声援に応えるように、恒例のトリプルボイスの儀式を終えたあと、比叡さんはバッターボックスに入る。僕らがいるところから、比叡さんの真剣な横顔が見えた。

「あれ……比叡姉ちゃん……」

 さっきまで、あれだけ賑やかで朗らかな顔をしていたが比叡さんが、バッターボックスに入った途端、キッと前を見据え、真剣な面持ちになったのが見えた。そしてその瞬間、比叡さんの周囲の空気がピリッと張り詰めたのが、離れている僕にも伝わった。

「あんな凛々しい顔が出来るんだ……」

 あのキレイに澄んだ目で、まっすぐに前を見据える比叡さんの顔に、僕はしばし釘付けになった。ピッチャーがボールを投げ、その次の瞬間。

「ほりゃぁあああ!!!」

比叡さんの雄叫びとともに『ゴワキョォオオッ!!!』という音がグラウンドに鳴り響き、比叡さんが打った球はホームランとなった。今日の球場はバックボードが無い為器物破損はなかったものの、遥か彼方まで飛んでいったボールは、キラーンという音と共に、星になった。

「お母様〜! シュウく〜ん! 見ててくれまし
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