暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百二四幕 「姫様は宇宙海賊」
[2/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
とが多いためそれなりに銃に知識のあるセシリアだが、流石に全てを網羅している訳ではない。管制官は説明する。
『ン……007にも出たことがあるんだがお嬢様は知らないか?アメリカの銃器会社が開発した珍銃でな。弾丸が薬莢式じゃなくてロケット式なんだ』
「ロケット式ぃ!?それはまた珍妙な代物を……」
現代に流通している銃弾は基本的に薬莢式……つまり、雷管によって薬莢内部で爆発を起こし、その勢いで本命の銃弾を打ちだす形式だ。オートマチック拳銃では使用済みになった薬莢は薬室から吐き出され、リボルバー拳銃の場合は手動で排出される。
対してロケット式とは、ロケット弾などのように弾丸そのものが推進力を持って、その反作用で加速する仕組みだ。薬莢は出ないし、火薬と違って加速開始時点では何の反動もない。宇宙船の打ち上げも未だにロケット式が主流である。
一見して凄そうだが、セシリアは即座にそのロマンとしか言いようがない実用性の低さに気付いて呆れた。
「その銃、実用性はなかったでしょう。ロケット式では初速が低すぎて拳銃に想定される近距離戦闘に対応できませんわ。というか……弾丸にコストがかかりすぎるでしょう」
『ああ、全くもってその通りだ。高いクセに実用性が壊滅的。しかも最高速度に達する頃には弾丸内の燃料が切れてしまうから、拳銃狙撃では弾丸が勝手に軌道を逸れる。今じゃ『最初で最後のロケット拳銃』なんて言われてるよ……だが、アレなら銃身の熱はともかく反動は殆どゼロ。宇宙じゃあ関係ないが静粛性もかなりものんだぜ?』
『ダメダメじゃないですか。第一ロケット噴射なら推進の為に銃身内部で加速を開始した時点で発射の前兆が捉えられます。まったく、それなら次元大介の弾丸直撃ちのほうがまだ可能性がります!』
「………なんですかそれ」
『だから、弾丸を拳銃内部に入れずに直接雷管を突くことで発砲!ってやつです!生身でやったら指が吹き飛びそうですけどISならイケます!』
『おお、メタルギアソリッド3のヴォルギンがそんな事してたな!あいつは発電能力だったが、それで手からBANG!ってか!』
「……このオタク共、着いて行けませんわ。それならわたくしは『弾丸が自立行動した』説でも提唱しましょう、か………」
変な話に華を咲かす二名に冗談交じりに放ったその言葉が――セシリアの脳裏に引っかかりを覚えさせた。勝手に動く銃弾、そして銃身を用いない発砲方法。その二つに当て嵌まる既存の兵器を、見たことがないだろうか。
記憶の糸を探ったセシリアは、クラスの級友の顔と同時にそれを思い出した。
「……デュノア社の新製品、クラスターAP弾『グレール・タンペット』。発射後に弾道の変更が可能……発射後にPICで弾道を変える技術。そのロケット拳銃が創られた時代からすれば、拳銃の銃弾にそん
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ