050話
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時、偶然ジークとドロシーは出会いそこから自分たちの関係は始まった。
「でも、私には似合わないって気持ちもあったの……私はカルデアの為、使命の為にARMを集めていた。でもやっている事は火事場泥棒みたいなもの、悪名高い魔女。そんな私が貴方の傍にいていいのかとさえ思った」
ジークはじっと動かぬまま、彼女の言葉を聞き続けていた。ディアナもそれを聞いていた、この心の中に入ったのは一人の女としてドロシーとして戦う為。ならその為には見届ける必要がある。
「ねえ覚えてる……?ヴェストリで私に言ってくれた言葉、月が綺麗って。あの時は意味を理解してなかった、唯の感想だと思ってた………でも解ったの。月って愛しい君を示す言葉でもあったのよね………?私はあまり器用じゃないからはっきり言うね……?」
恋には積極的であったがその方面の知識が薄かったためかあの時にはちゃんとした答えを出す事は出来なかった。だからこそ今こそそれをはっきりと伝える。これが、今の彼女のすべての愛の言葉。
「私は……私は………貴方が大好き!!!貴方の全てが欲しいぃぃ!!!ジークゥウウウウウ!!!!!」
「……ドロシィイイイイイ!!!」
声を上げた、腕を動かした、瞳に光を灯した。今、届いた。彼女の魂の叫びが世界を突き抜けて彼を突き動かした。深く芽吹いていた感情など突き抜けて記憶などすっ飛ばし魂へと叫びを木霊させた。
「ジークゥウウ!!!」
「ああドロシー………俺は、もう、君から離れない……!!俺は君から……」
「もう、離しはしないから……!!」
「「ず〜っと、ず〜っと一緒………!!!」」
強く強く、力の限り愛を噛みしめ合う二人は互いの感触を味わいながら愛を囁き合う。今この瞬間を心の奥底から待ち侘びていたのだから。
「……ディアナ」
「全く、見てて口が甘くなるわ。此処まで愛し合ってるなんて勘弁してほしいわよ」
自分たちの姿を見てやれやれと肩を竦めるディアナ、自分たちの愛情に参っているという姿にも思えるが同時にドロシーは違和感を覚えた。
「えっ……?どういう、事なの………?ディアナから、魔力を感じ、ない………!?」
「正確には邪悪な魔力をだろう。仮にも俺の心の中だ、オーブの魔力は完全に遮断される。ファヴニールも協力してくれているしな」
『世話の焼ける野郎だ……その女の肉体の保護はやっておく。小僧にも先に行けと言った、後は適当に待っていろ』
響いてくるのは心を揺さぶる威圧的な声、悪竜ファヴニールの声であった。ジークはその声に礼を言うとドロシーの肩に手を置いた。
「聞いてくれドロシー、ディアナは確かに欲望の怪物だ。但しその実際はオーブに取り憑かれ欲望を増幅させられていたに過ぎなかったんだ」
「オ、オーブに!?」
「そうだ」
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