15話 トリントンの憂鬱 UC0083 3.5
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まして申し訳ない。何故この封印を解くのか、この私でも理解に苦しみます」
ブライトもこの扉の奥にある嫌悪の対象物に対し、悪態を付いていた。
「全くだ。政府は一体何故このようなものをモビルスーツに搭載など考え付くのか・・・」
その問いにブレックスは予想をした。
「う〜ん。あのソーラレイのためなんだろう。高機動、高性能のモビルスーツによる一撃破壊を狙っての事だろう。艦艇並の砲座・耐久性ならいざ知らず。通常のモビルスーツでは砲撃の威力に耐え切れない。それに耐えうる人道的な兵器を開発したかった」
「人道的ですと!兵器に人道も何もありはしませんよ」
ブライトはオデッサの苦汁を飲んだ経験上、政府の見解に怒り、疑問を呈していた。
ブレックスとシナプスは首を横に振り、ブライトを宥めた。
「ブライトくん。私もシナプス大佐も反対なんだ。誰もがそう思っている。しかし我々は政府の決定に従わねばならない。それに逆らって軍事判断をすることは軍閥だよ」
「ブレックス准将の言が正しい。ブライト君、今は時を待て。こんな戦争状態など誰も歓迎しない。いつか機会は巡ってくる」
ブライトは2人そう言われ、熱くなっていた自分に反省した。
「・・・大変失礼致しました。未熟さを恥じております」
シナプスはブライトの肩に手を置いて、笑顔で語り掛けた。
「いやいや、君みたいな直情的な感覚は大事にしなさい。そうすれば、いざという時にその正義の下で動けるようになる。私みたいな頭でっかちには到底無理なことさ」
「はあ」
すると、ブレックスの扉の認証が終わり、扉がゆっくり開き始めた。
* アルビオン艦内 格納庫 同日 12:00
モーラ・バシット整備主任が全てのメカニックにお昼休憩を言い渡した。
「よーしお前ら。後は午後だ。お昼食べてこーい」
メカニック等は試作機から離れ、それぞれが基地の食堂へぞろぞろと移動していった。
それとすれ違いにニナ・パープルトンがやって来た。それを見たモーラがニナに声を掛けた。
「おー、ニナ。どうよ整備班のこの頑張りは」
モーラは手持ちのタブレットをニナに渡し、ニナはニコリとした。
「うん、頑張っているようじゃない。これなら予定より早くロールアウトできるわ。この基地での重力下実験に挑み、その成果を持って私は新たな量産機のプロジェクトに参加できる」
ニナはとても向上心旺盛だった。この試作新型機を踏み台にしてニナは若くして技術者のトップを狙っていた。まずは目の前のこのプロジェクトの達成が最重要課題だった。
ニナの目の前には2機のガンダムがあった。
RX-78GP01ゼフィランサス。
ムーバブルフレームの伸縮性設計とガンダリウム合金の結晶で現時点
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