Fate/stay night
1165話
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表現は誤解を招くから止めてくれ。……それで、どうしたんだ?」
綾子の様子に溜息を吐き、用意してあった服へと着替える。
凛から用意してもらったものではなく、空間倉庫から取り出した代物だ。
シャドウミラー製って訳じゃなくて、麻帆良製だからこの時代的にもそんなにおかしな服じゃないだろうし。
「だから、起こしに来たんだって。遠坂の奴、元気一杯だよ? まぁ、桜を助けられるかもしれないって話なんだから、当然なんだろうけど」
「だろうな」
「ああ、それと元気一杯なのは結局昨夜アクセルに体力を消耗させられていないからだな。うん」
「そうかい」
「あたしとしては残念だったんだけどね」
そう言いながら、その大きな胸を両腕で横から挟んで強調する。
前々から俺に対する好意を現してはいたけど、昨日から急に積極的になったよな。
……まぁ、何が原因なのかってのは考えるまでもない。
俺が記憶を取り戻し、レモン達9人の恋人がいると話したからだろう。
正直、既に何度も肌を重ねてしまった以上、綾子や凛に対してその類の欲望を我慢するというのは非常に難しい。
凛も綾子も、いい女であるのは分かりきっている為だ。
かといって……と、今はそんな事を考えている場合じゃなかったな。綾子を見て抱きしめたくなる衝動を何とか我慢して、伸ばした手で軽く肩を叩く。
「さ、行くか。朝食だろ?」
「え? うん、そうだけど……あれ? うーん……ま、今は考えてもしょうがないか」
不思議そうに呟く綾子と共に、部屋を出る。
その後、洗面所で身嗜みを整えてから、居間へと移動する。
するとそこでは、朝だというのにかなり豪華な食事の数々がテーブルの上に乗っていた。
その全てが中華であり、この辺は四葉に対抗心を抱いたのか? そんな風に思いながら、機嫌良さそうな凛の姿に違うかと首を横に振る。
「で、何でまた、今日は朝からこんなに豪華なんだ?」
「ふふん、今日は忙しくなりそうだから、腕によりを掛けてつくったのよ。それに昨日の夢では色々と面白いものが見られたしね」
「ああ、あの赤いカブト虫か」
……赤いカブト虫? その単語で思い出されるのは、当然の如くアルトアイゼン。となると、キョウスケ達との戦いの光景を夢で見られたのか?
「まさか、宇宙空間でロボットが戦っている光景を見るなんて、思わなかったわ」
肩を竦める凛の言葉に、そうだろうなと頷きテーブルに着く。
テーブルの上にあるのは、中華料理ではあっても脂っこい料理の類ではない。
さっぱりと食べられる各種の料理で、海鮮系が……
「ああ、そう言えば昨日の福引きで当たった景品の残りか」
「そ。生ものだから、早く使わないと悪くなっちゃうしね」
昨日は色々と……
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