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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(下) 長い想いは結ばれて
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から。このくらいは当然ですわ」
「当然って……官房長官からわざわざ見舞いの品が来るなんて聞いたことないわよ。これがタマムシ大学を最年少主席で卒業したOGの力というものなのかしら」
「まぁ……そこはそうかもしれませんわね。尤も私はあまり政治家は好きじゃありませんから何とも思いませんでしたけれど」
曲がったことを嫌う彼女にとってとかく色々と噂になりやすい政治家や官僚といった人々はあまり好きになれないようだ。
「あんたらしいわね……それはそうとレッドはどうしたのよ?」
「レッドさんは腕が鈍らないようということでスリバチ山まで行って修行されていますわ。毎日夜には見舞いに来てくださいます」
「ふうん。偉いところあるのね。それで、どうなの?」
ナツメは丸椅子に座り、足を組んで尋ねる。
「どうとは?」
「レッドとのことに決まってるでしょ」
そういわれるとエリカは少し間をおいて
「フフフ。上々です。あの方のためならば何だっていたしますわ」
「そ……そう。はぁ……」
ナツメは大きくため息をつく。
「どうされました?」
「ということはもうとっくの昔にエリカはレッドとしちゃったわけね……」
それを尋ねられると彼女は顔を赤くして黙る。
「あら、まだなの?」
彼女は小さくうなずく。
「そう……」
「しかし……。私、もう決めましたわ。レッドさんに……純潔を捧げます」
彼女は目を閉じ決然とした様子で言う。
「ということは……する気はあるのね」
ナツメは心なしかがっかりとしている。
「はい」
「どうして急にそんな心変わりをしたのよ? あんたつい先月までまだその……スキンシップすら及び腰だったじゃないの」
「そうですわね……」
彼女は10秒ほどで考えをまとめ目を開く。
「ナツメさんには旅立つ前日にお教えしましたわよね……。私がレッドさんと行動を共にするのは伝説にして最強と目されているトレーナーであるレッドさんが如何な人物であるかを見極め、私の伴侶としてふさわしいかどうかを見る為だと」
「ええ」
「私も最初はそのつもりでしたし、途中まで……正確にはヤナギさんに勝つあたりまではその考えは持ったままでしたわ。恋情ではなくあくまで試すために一緒にいたと」
「うん」
「しかし……数々の試練を乗り越えてヤナギさんに勝った時のレッドさんを見て。この方とならば共に歩めると思いました……しかしそれと同時にナツメさんのいうようなふわっとした……その、恋情が湧いてきてしまったのです」
「えっ!?」
「それ以来、レッドさんを見るたびにその……演技ではなく本当にドキドキと胸が高鳴って……。それでもやはりレッドさんの求めに応じて貞操を捧げるのは抵抗がありました。そ
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