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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(下) 長い想いは結ばれて
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きりになる。
「いよいよホウエンかぁ……」
レッドは眼前に見える電光案内版を見ながら言う。
午後2時 カイナシティ行き。あと一時間で長く、いろいろな事があったジョウトともお別れなのだ。
「レッドさんにとってこの地方で一番印象に残った事はなんですか?」
ミカンはそれとなく尋ねる。
「うーん……一番は中々決められないですけど……色々な人に会って知れた事かな」
「い……色々な人って?」
ミカンはレッドに近づき興味津々な様子で尋ねる。
「何と言ってもヤナギさんが一番印象深かったかな……。初めて完膚なきまで叩きのめされたし……。とんでもなく強かった」
「そ……そうですか。そうですよね……」
ミカンはさすがに師匠に勝てるわけがないとばかりの様子である。
「でも、その一方でエリカと一緒に一生懸命どうにか頑張って勝とうともがいて、道を模索して……それでやっと勝てたときは本当に嬉しかった」
「そうですか……」
「ああ、勿論、ミカンさんにも感謝しています」
「え!? あたしにですか?」
「そうさ。正直ヤナギさんに負けたのは実力差というよりも仕方がなかったんだという思いが強かったんだけど……ミカンさんに負けて、ようやく俺は一からやり直さないといけないって自覚できたんだ」
「なるほど……」
「それを分からせてくれて今は本当に感謝している。ありがとう」
レッドはミカンに深々と頭を下げる。
ミカンは少々黙した後に
「あの……ちょっと来てください」
「え……ちょっとぉ!?」
ミカンは存外強い力で港の建物の外に出て、人気の少ない裏のところまでレッドを連れる。
「はぁ……ミカンさん。どうしたんだよ急に」
「あの……レッドさんに一つ聞いてほしいことがあるんです」
ミカンは赤くなりながら手を組んで言う。
「え、何?」
「あたし……小学校と中学校の初めの頃まで体が小さいとかでいじめられて……遂には引き篭もっちゃうダメな子だったんです」
「へぇ……」
レッドは意外な様子で聞き続ける。
「でも、引き篭もっている時にテレビでレッドさんについて特集組んでいたんですよ」
ロケット団を壊滅した上に凄まじい速さでリーグを制覇したレッドというトレーナーはマスコミの注目するところとなり、度々特集がくまれていたのだ。レッドからしてもそれは知っている事だったので聞き流す。
「それで、同い年で一生懸命頑張ってるレッドさんをみて、これじゃあいけないなって思って……そこからトレーナーたちの憧れであるジムリーダーになろうと心に決めたんです」
「そうだったんですか……」
「それからレッドさんにはずっと……憧れの気持ちで見続けていたんです。一度あたしに負けた時もあれ
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