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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(下) 長い想いは結ばれて
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。このくらいはお花をやっていれば当然の知識ですもの」

 彼女はレッドに褒められて嬉しいのかにこやかに答える。

「いやぁ凄いって。俺みたいなバカからしたらお前のそういうところ本当尊敬するもん」
「もう……あまり褒められても何もお出しできませんわよ?」

 彼女は顔をほんのり赤くして言う。
 レッドはそんな彼女を見てやはり情欲が湧いてくる。もうこれだけ色々と同じことを経験し苦楽を乗り越えたんだからそろそろという気持ちもある。

「エ、エリカ!」
「はい?」

 彼女は急に改まった様子のレッドを見て当惑しているような表情を見せる。

「好きだよ」
「な、何を急に仰せになられるのですか……」

 彼女の顔はほんのりから段々と赤みをましていく。

「だからさ……もうそろそろ」

 レッドはエリカの口元に近づく。

「ま……待ってください!」
「いやもう俺……待てな」
「とにかく、私の話を聞いてください」

 そうまで言われてレッドはようやく丸椅子に戻る。

「その……もう少し、もう少しだけ待っていただけないですか」
「え?」
「私、殿方とこのような事をするのが初めてですから……。心の準備が出来ていないのです」
「う……うん」
「ですから……然るべき時が来ましたら……その……えっと……」
 
 彼女は相当に緊張しているのか冷や汗が見える。このような彼女を見るのもまたレッドにとっては幸せであった。

「わ……私のほうから……その……お誘い申し上げますわ」
「え!?」

 レッドはあまりの事に彼女が何を言っているのか理解するまでに時間がかかった。

「その……”する”ことについてです」
「するって?」
「もう……私だって女性なのですよ? 察してくださいまし」

 そこまで言うと彼女は布団をかぶって寝てしまった。
 レッド当人にとってエリカとは大分、前と比べれば関係は良くなっているとは思っていたが正直な話想像以上である。
 レッドはみるみると上機嫌になっていった。
 その後、レッドは30分ほど病室に居たのち、修行のためスリバチ山へと向かった。

―5月11日 午後2時 同所―

 この日はナツメが見舞いにやってきた。

「あら、思っていたより元気そうね」

 ナツメが来た時の第一声はこれであった。

「まぁ、やられているのは足ですからね……。そこ以外はなんともありませんわ」
「それもそうね。それにしても……」

 ナツメは背後を見る。ものすごい量の花束やお見舞いの数々である。宛名人は各界の著名人からジムリーダー、トレーナーまで色々である。彼女の人脈や人望の厚さがうかがえる。

「ホント、あんたって大したものよね……」
「仮にもジムリーダーです
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