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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(下) 長い想いは結ばれて
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ってくれたのだろう。
「全くもう……大変だったのですよ? ピカチュウが慌てて知らせてくれたから良かったものの、あと少し遅れていたら溺死されていてもおかしくなかったのですから……」
レッドはそれを聞いて、気を失う前の事を思い出した。
「あぁそっか……ピカチュウが知らせてくれたのか……よかった……」
「ええ……」
それから数秒ほど沈黙が流れる。
「なあ、エリカ……」
「はい」
「今気づいたんだけどさ……、もしかして、それって……和服?」
それだけではない。レッドはあの時印象に残っていた白檀の香りも感じていた。
帯に近いところにいるせいか猶更匂いは強くなる。
「はい。貴方が喜ばれるのではないかと思って……。お好きですものね。私のこの姿」
エリカはレッドの顔に近づきながら言う。
「そ……そうだけど……どうして」
「お忘れに……なられたのですか。私から……お誘いすると」
そう言うと、彼女は目を閉じて膝枕の姿勢のままレッドの唇にキスをする。
レッドはそれに頭中が蕩けるような感覚を覚えた。彼女の唇はとても柔らかく、とても良い花の香りが鼻腔にまで伝わった。
一分程経っただろうか。彼女は唇を離し、レッドの顔を眼を少し潤ませながら見る。彼女の頬は紅潮しており、表情は影も手伝って少し切なげだった。
「ふぅ……レッドさんの唇、とてもおいしかったですわ……」
「エリカ……」
つい昨日までは考えられなかったことが次々と起こりレッドは半ば放心状態となっていた。
「も、もう! この程度の事で上の空になってどうするのですか……これからもっと……す、凄いことをしようというのに」
彼女は精一杯虚勢を張っているが、その実声や体は微かに震えていた。
エリカが勇気を出したかのように襟に手をかけようとしたところでレッドが話しかける。
「なあ。エリカ……お前、震えてないか?」
「そ、そのような事、ありませんわ! 震えていると言うなら、これは武者震いというものです!」
「そ……そうか」
このように年長者の意地としてか、女としてのプライドか。とにかく強く出ようとする彼女の姿はレッドにとってとても愛おしく見える。
そして、このように焦っている彼女の姿を見るとエリカも緊張しているのかという安心のせいかレッドは逆に落ち着いてきた。
「なあ……ちょっと立ってみないか?」
「は……はい」
レッドとエリカは互いに立つ。
エリカの姿は夢で見たのと(日傘以外は)全く同じの着物姿であり、漂う香りまで一緒であった。
「やっぱり……同じだな」
「え?」
「ほら、一番最初にシオンタウンで会った時と」
レッドの一言にエリカはクスリと笑って
「わ
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