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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(下) 長い想いは結ばれて
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「ぎゃあああああ!!」

 レッドはあまりのことに気を失ってしまった。

―――――――――――――――――――――――

─2009年 8月13日 午後3時 シオンタウン─

 レッドはガラガラを成仏させた後、ポケモンタワーでのロケット団の悪事を挫く。

「怖かったな、ポケモンタワー……でもカラカラのお母さん成仏できて良かったな」

 レッドはシオンタウンを宛もなくほっつき歩きながらそんな事を口にしていた。
 8月の中盤。烈日は容赦なくアスファルトを照り返し、彼の不快指数をさらに上げる。
 そろそろポケセンで涼もうかな等と思い始めたその時、レッドの背後からふと女性の声がした。

「フフ、お優しいのですね。レッドさん……」
「? 誰か僕の名前……」

 レッドは女性の声がした後ろの方向へ振り向く。

「!?」

 後ろを振り向けば日傘をさし、袴姿に黄色い着物を着た容姿端麗な少女が立っていた。レッドはその清楚で可憐な姿に一目惚れする。
 帯締めに香り袋があるのか、そこから馥郁(ふくいく)たる白檀(びゃくだん)の香りが鼻腔を刺激し、見る者を更に惚れ込ませる。

「驚かせてしまい、ごめんあそばせ。ところであなたの噂、届いておりますわよ」
「へ……!? 貴女何者なのですか?」

 自分の噂を知っているとは、何事かと思ったレッドは思わず尋ねる。

「これを見ればお分かり頂けるかしら」

 エリカは懐から虹色に輝くバッジを取り出した。

「ジムバッジ……ということはまさか!」
「はい、私、タマムシシティジムリーダーのエリカと申します。どうぞ、お見知りおきを」

 彼女は深々とお辞儀をする。
 レッドはその名前を永遠に刻み込む。

――――――――――――

 レッドはエリカと初めて出会った当時の夢を見ていた。
 そうだ。あの時エリカと出会って、一生懸命修行してエリカに勝ったんだ。
 今からして思えばその当時から彼女には驚かされっぱなしで……そして誰よりも好きだった。
 そんな事を回想していると、レッドはだんだんと意識が戻ってきた。

―2013年 5月16日 午後11時 アサギシティ ポケモンセンター 309号室―

 目を覚ますと、まず大きな影が目に入った。
 眩しくてすぐには判別はできなかったが、少しずつはっきりとしてくる。

「あら、お目覚めになられましたか……」
「え……エリカ!?」

 そして、完全に目が覚めるとすぐ側に彼女の顔がある事に気づく。
 レッドはそれに対し大きく驚く。
 そして、思えば後頭部や首筋に温もりを感じる。
 ここで漸くレッドはエリカに膝枕にされていることへ気が付いた。
 因みに服は着せられている。恐らく彼女がや
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