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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(下) 長い想いは結ばれて
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ませると、ジョーイが荷物が届いていると話す。
「あら……恐らく私宛ですわ。貴方、先にお部屋へどうぞ」
「ん……そうか」
そう言ってレッドは階段を上がり部屋へと向かう。
―午後8時30分 同所 309号室―
この日の夕食はステーキにボンゴレ、鯖の竜田揚げにニラの胡麻和えといったラインナップだった。
「おお。今日は豪勢だな」
倹約を旨とする彼女の食卓にステーキが上がる事などレッドがこれまで旅してきた中で初めての事であった。
「ええ。今宵はジョウトに居る最後の晩ですもの。それに、私も久しぶりに台所に立ったものですからついつい奮発してしまいましたわ」
「そっか……確かにそうだよな。よーしもりもり食うか!」
ポケモンたちも共に食卓につき、豪華な食事に盛り上がりこの旅で一番賑やかな晩餐となった。
―午後9時20分―
「ふー。食った食った……」
食器もあらかた空になり、満腹となったところでエリカが尋ねる。
「あの……貴方?」
「なんだい?」
「今晩のお風呂ですけれど……私が先に入っても宜しいですか?」
彼女は思い切った様子で言う。
「え、いや別にかまわないけど……どうしたんだよ」
一番風呂は毎回レッドに譲っている彼女にしては珍しい提案であった為レッドは不思議に思っていた。
「身を清め……いえいえ、あの、たまには私が先に入ってお風呂を綺麗に掃除した状態で入ってもらおうかと」
エリカは咄嗟に思いついた風の事を言った。
「いや、別に俺はそういうのいいけど」
「貴方、今宵はジョウト最後の夜ですよ。身をより清めて明日を迎えませんか!?」
彼女は半ば必死な様子で問いかける。
「わ……分かったよ。先に入って」
そういう訳でエリカが先に入浴する。
―午後10時30分 風呂場―
エリカは40分ほど入浴した後に出て、思いつめた様子でレッドに入るよう勧めた。
レッドはピカチュウと共に風呂に入る。
感電防止のため電気袋のある頬から上はつからせないようにしている。
「はぁ……なんか今日のエリカ様子おかしいな……」
「ピカピー」
ピカチュウも同様に心配しているようだ。
「もともとなにを考えてるか読みにくい奴だったけど、今日は一段と酷いぞ……ほんとどういうことなんだろうな、ピカチュウ」
「チャー」
と、言いながらピカチュウは風呂から出ようとした。余程風呂が熱かったのだろう。
「コラコラ、ちゃんと百まで数え……」
レッドはピカチュウの肩を捉えて風呂に入らせようとする。
しかし、力が強すぎたせいか顔までつからせてしまう。お湯はあっという間に電気を通し、レッドは電気の直撃をうけた。
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