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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(中) 王国の終焉
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―5月7日 午後4時―
ジョウト、否、世界中が怒りに打ち震えた。
ロケット団がエンジュシティジムリーダーであるマツバを殺害し、あまつさえ動画サイトに一部始終を流したのだ。
これは瞬く間に各所で大きく取り上げられ、多くの人の耳朶に触れることとなった。
マツバのエンジュ攻防戦時の雄姿はエンジュから避難してきた人々によって既に多くが知るところとなっており、そんな英雄を無残に殺すとは何事であるかと避難民を中心にロケット団に対して凄まじいバッシングが浴びせられた。
これは戦争に携わっているリーグやそのバックに控えている政府にも飛び火し、『攻撃を行わないリーグは生温い! 警察も機動隊も役に立たないならすぐさま自衛隊を以て殲滅すべきだ!』という意見が沸々と出始め、エンジュ近隣の街やヤマブキシティは暴動寸前の有様となっていた。たった二時間前は治安出動不承認にホッとしていた筈なのにである。
理事長のワタルはできる限り犠牲の少ない解決を念頭において考えていたが、こうなっては止む無しと動画公開から二時間後の午後六時に総員出動を司令。
文化財の集まるエンジュが火の海になることを恐れた有識者も数多くいたが、怒髪天を衝いていた民衆にそれを考慮させるのは最早不可能である。
応仁の乱ならぬ”平成”の乱は今やそこまで迫っていた。
―同日 午後6時30分 42番道路 エンジュ方ゲート付近―
総司令官のワタルの下へ憤然としながら向かう一人の女性がいた。
エリカである。歴史や文化を愛する彼女にとって古都であるエンジュシティが火の海になりかねないというのは居ても立っても居られない一大事なのだ。
彼女はワタルのいる大テントのもとへつくと、机を叩いて怒りを爆発させた。
「ワタルさん! これは一体どういうことなのですか!」
ワタルはエリカの怒気に少々気圧され、数秒おいて答える。
「エリカ君。君の怒りは尤もだよ。僕だってジョウトの人間だし、エンジュシティが如何に大事な都市なのかは君ほどでないにしてもよくわかっているつもりだ」
「でしたら、どうしてこのような命を出されるのですか! 確かに、ロケット団がマツバさんを処刑という名目で殺めたことは言語道断の悪行ですわ。それにエンジュで助けられた方やエンジュに住まわれている方などが憤慨し、ロケット団の壊滅を強く願うことも重々承知ですし、私とて同じ気持ちです。しかし、それとこの国随一の至宝が集い、古都たるエンジュを灰燼に帰すとでは話が別ですわ!」
まるでエリカはエンジュが火の海になることが確定事項のように述べているがそれは当然のことである。
ロケット団の持っている改造ポケモンの中には炎ポケモンもおおくおり、反撃で炎技を使用してそれが燃え移れば一大事である。一回目の攻撃の際エンジュ
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