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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(中) 王国の終焉
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とられて市民の帰還を先延ばしにするのは如何なものでしょう?」
「もしエンジュが焼失すればその帰る場所もなくなってしまうんですよ?」
「そうなった場合のフォローは我々が行います。とにかく、文化財や景観の保護よりも、可及的速やかなロケット団の殲滅を願いますよ。さもなくば我々もリーグに対して何らかの処置をとらねばなりません」
「処置……?」
「私が伝えることは以上です。では、おやすみなさい。リーグの皆さんの健闘を祈ります」
そして官房長官の電話は切れた。
ワタルは強く膝を掴みながら、目をいからせていた。
―5月8日 午前7時 同所 大テント―
ワタルは大テントの中においておそらく最後となるであろう作戦を話した。
「我々第一軍は西側から突入し、ロケット団の軍勢を突破しながらエンジュ市街を囲むように市街から見て東側と北側を取り囲む。第二軍は西側と南側を包囲するという風に先ほど合意した」
ワタルはエンジュシティ全体の地図を二色のペンで用いながら一番外側にある道をぐるりと囲む。
「包囲が完了したら、相当な抵抗が予想されるが、少しずつ少しずつ前へ前へ詰めていく。第二軍はエンジュ大学を、我々第一軍はロケット団の司令塔となっている市役所を目標にジリジリと」
ワタルは二本の矢印を用いて各軍の目標まで矢印を書き込む。
「あの、第三軍のほうはどうなっているんですか?」
タケシが尋ねた。
「第三軍はおそらく西方攻略部隊との戦いであまりこちらに来る余裕はないだろう。もし余裕があればエンジュまで来るように伝えてはいるが、あまり期待しないほうがいい」
「了解しました」
「大学と市役所、それぞれに敵の首領格がいるだろうから見つけ次第捕縛し、すぐさま道路で待機している警察まで引き渡すように。そしてそこまで完了したらその旨を布告して団員に降伏を促す。それでも抵抗するようなら容赦は必要ない。戦闘行為が終息したら解放宣言を出し、エンジュのポケモンセンターにおいて総動員令を解く。……とまあ口で説明すれば簡単に思えるかもしれないが実際はかなりの犠牲を覚悟しなければならない戦いになるだろう。敵も必死なのだということも忘れずに、総員の健闘を祈る。尚、エンジュシティは大変に文化的価値の高い街のため家屋や建物に被害を及ぼさぬよう慎重に事を進めるように」
ワタルはそういって作戦会議を終了した。
街並みに対する配慮に言及したためエリカは少しだけ安堵する。
―午前7時30分 同所―
第二軍から準備が完了した報告が入り、ワタルは整列を命じ、突撃の準備を整える。
レッドとワタルが先鋒に立ち、他は先鋒の支援や全体の後方支援に回った。
「よし、行くぞっ! エンジュに一片たりともロケット団の痕跡を残すなっ!」
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