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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(中) 王国の終焉
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そ無事とはいえない損害を受けている。
 エリカや有識者たちの言うとおり、エンジュは応仁の乱と同様の大損害を受けたのだ。

―午後7時 太平洋上空―

 一方ロケット団は改造ポケモンと主な団員たちをつれて砂嵐の混乱に乗じてヘリコプターで逃げ去っていた。
 サカキは備え付けのテレビで報道を見ていた。
 テレビにはエンジュ解放に狂喜乱舞するエンジュ市民たちの模様が映し出されていた。
 サカキはそれを見て鼻で笑って見せる。

「全く愚かな者たちよ……我々がこの程度で消え失せると思っているのか」
「とはいえサカキ様。ジョウトの主要都市ににらみをきかせられる立地、内国で一二を争う研究設備のある大学、内国にとっての戦略的重要性。これだけ揃っていたエンジュを手放して良かったのですか?」

 アポロがそう不満げな顔で尋ねる。自らの腹案が根底から潰されたのでさすがに少しは何か言いたくなったのだろう。

「なぁに新天地などいくらでも我々にはある。それに内国……日本などという国を手中にできたところでいつかは破綻するのみ。我々が本腰を入れるべき場所はやはり更に強い国でなければな」

 サカキは低く笑いながら言って見せる。

「ということは……」
「この国でやったことはすべてデモンストレーションだ。アポロよ、お前の言ってくれたその王国への案。新天地で存分にやるが良い」
「は……ははっ!」

 アポロは瞳を輝かせて深く頭を下げた。

「サカキ様」

 ランスがサカキを呼ぶ。

「どうした」
「この死体は……どうしましょうか」

 ランスが持っていたのはどさくさに紛れて持ってきたオーキドの亡骸である。

「あぁその”くろーん”とかいうやつの骸か……。海に放り投げておけ。ここは公海だ。そうそう見つかることもあるまいに魚どもの餌にしてやれ」
「はっ」

 そういうとランスは下っ端に命じてオーキドの骸を海へ放り投げた。

「サカキ様……俺、やっぱりあのオーキドとかいう胡散臭いジジイのいう事なんか聞いてられねーっすよ。ほかにどうにかならねぇんすか」
「ラムダ。それが言いたければもっと活躍してから言う事ね」

 アテナがラムダをそう窘めた。
 ちなみに折檻の形跡が残っておりあちこちに腫れ跡がある。

「あぁ!? てめぇだってランスの尻馬に乗って辛うじて勝てただけだろうが! 偉そうな口叩くんじゃねえぞ!」
「何ですって! あんたまた熱い鉄棒で顔焼かれたいの!?」
「黙れ。ニュースに集中できないだろうが」

 サカキの一声に二人は押し黙る。
 こうして、一機のヘリは太平洋を通り過ぎていく。

―午後9時 エンジュシティ ポケモンセンター 会議室―

 このような戦乱のさなかでもポケモンセンターだけ
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