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伝説のトレーナーと才色兼備のジムリーダーが行く全国周遊譚
第十二話(中) 王国の終焉
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し、これも修練だと割り切りながらバンギラスのもとへ近づいていく。
―午後5時30分頃―
探し始めてから一時間弱。レッドはようやく影を視認。
恐らくシルエットから見てバンギラスは後姿である。先制攻撃だとばかりにレッドはカメックスとフシギバナを繰り出す。
「マスター。あれって……」
カメックスが影を指さしながら言うと、
「そうだ」
と深く頷く。
「ケッ。あのデカブツまた出やがったのか……。性懲りもない奴」
レッドの最古参にあたるフシギバナがそう毒づく。
「恐らくこれがジョウトで戦う最後の敵になる……。でもだからといって気を抜かずにな」
二匹は言われなくてもわかるとばかりにレッドの方へ頷く。
レッドはその表情を見て安心しつつ、指示を出す。
「よしっ! カメックス! ハイドロポンプ! フシギバナ! リーフストーム!」
二匹はこの二つの大技を遠くにいる影に向かって全力で放つ。
「行けっ! カビゴン!」
レッドはこれだけでは倒せないことを承知しているためさらにカビゴンを繰り出す。
先ほどの技は命中したようで、影はどんどん大きくなり、やがて姿が見えた。
通常のバンギラスより三倍以上の大きさを持つ巨体が姿を現した。
「んぁ……あれは……」
カビゴンは青菱にある傷を見て何者か思い出したようだ。
「そうだ。あれはお前が前、傷をつけたバンギラスだ」
そして、この傷でいよいよバンギラスがレッドたちを二度にわたって苦しめたのと同じものと分かった。
手持ちたちは気を引き締める。
レッドは一度手持ちをすべてだす。
「うろたえるな。博士が何をしたんだか知らないけど……。ポケモンはポケモン。ポケモンならば俺たちに不可能はない! 現に一度敗れたミカンさんやヤナギさんだって俺たちは打ち破れたんだ! 絶対に倒して、このくだらない戦争を終わらせるんだっ!!」
レッドの檄によって手持ちたちの士気は大いに上がった。
―――
一時間後。
バンギラスはカイリキーやレアコイル、カメックスといったレッドの主力やサブたちを倒して力尽きる。
バンギラスが倒れると、砂嵐は止み、空がおがめた。
最早日は沈みつつあったが、はるか遠くから鬨の声が聞こえてくる。砂嵐があけるのを待って出撃するのを待機していたのだろう。
エンジュの町はどうなったかといえば、バンギラスが大いに暴れたことで致命的な損害を受けた。ただでさえ火事などでもろくなった家にバンギラスの大暴れである。まともな形を保っている家屋の方が圧倒的に少なかった。
かろうじて形を保っている建物も砂嵐によって通信網が破壊されたり屋上や、下手をすれば屋内が砂まみれになったりとおよ
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