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ポケットモンスター 急がば回れ
25 グリーン対キョウ
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しまった! 逃げろフーディン!」

しかしフーディンはヘドロに囲まれてしまう。
覆いかぶさるように降り掛かってくる。
四方八方から襲うそれから、フーディンは脱出する術を考える。

グリーン「フーディン、アレだ!」

キョウ「自棄になったか、アレではわからんだろう」

全体に付着したヘドロはフーディンのシルエットを濃くしていく。
全く動けないのか、微動だにしない。

キョウ「ファファファ!
もはや自滅を待つのみ!」

グリーン「……くそっ!
見えない壁を利用して、元々見えてたベトベトンを隠すとはな」

キョウ「これぞ忍法隠れ身の術!」

グリーン「フーディン、サイコキネシス!」

フーディンはフィールド全体に気を広げる。
超能力に捕まったベトベトンはあっけなく倒れる。

レフェリー「ベトベトン、戦闘不能! フーディンの勝ち!」

キョウ「まずは毒々状態にした。これでよい」

作戦通りに事が運んでいるのか、キョウはほくそ笑む。

グリーン「笑ってないで早く次のポケモン出せよ」

キョウ「既に出しておる」

グリーン「またかよ」

フィールドにはベトベトンのヘドロが散乱している。

グリーン「どうせあのヘドロにでも隠れてるんだろ。早く出てこいよ」

キョウ「よくぞ見破った!」

ヘドロがもぞもぞ動いてマタドガスが現れる。

キョウ「マタドガス、影分身!」

マタドガスは素早い動きで残像を作っていく。

キョウ「これぞ忍法分身の術!
どうだ、どれが本物かわかるまい!」

グリーン「フーディン、サイコキネシス!」

キョウ「マタドガス、ヘドロ隠れの術!」

マタドガスとその分身はフィールドに落ちているヘドロに隠れる。
サイコキネシスは外れる。

キョウ「ファファファ!
どうだ、攻撃できまい!
お主のフーディンはそのまま毒が全身を侵すまでもがき続けるのだ!」

しかしもがいている様子はない。
相変わらずヘドロを被ったまま動かない。

キョウ「それとももう戦えぬのか?
しかし戦闘不能の判定はまだ無い。
……よし、引導を渡してやる。
マタドガス、自爆!」

グリーン「そんなに勝負を焦ることはないんじゃないか?」

キョウ「臆したか、小童め!
任務のためには躊躇無く自決する。これぞ忍の精神!」

すさまじい爆音と共に衝撃が轟く。
熱風はフィールドにあるもの全てを吹き飛ばす。
トレーナーとレフェリーは安全な場所にいるが、そのすさまじさは充分に目の当たりにする。

グリーン「本当にやりやがった……」

キョウ「拙者には最後の手持ちがいる。
勝負あったな」

爆炎が巻き起こした煙から、瀕死したマタドガスが姿を現す
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