第四章
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「その今日もな」
「まあな、それはな」
「午後だしな」
「後が家に帰ってな」
「飯食って風呂入って寝る」
「それだけだな」
「もう家に帰ったら飯食って風呂入って寝る」
実際にそうするとだ、信彦も言った。
「今日は部活もないしな」
「それは不幸じゃないか?」
「漫画部の部活な」
「御前あの部活好きだからな」
「それがないのはな」
「不幸だろ」
「そうかもな、けれどな」
それでもとだ、信彦は言ったのだった。
「今日はそれをいい機会にしてな」
「家にさっさと帰るか」
「それで後は何もしない」
「そうするんだな」
「ああ、もう沢山だよ」
不幸な出来事はというのだ。
「だからな」
「よし、じゃあな」
「あともう少しだからな」
「頑張れよ、放課後まで」
「何とかな」
「そうするな」
信彦も実際に頑張ることにした、あと少しだけだと思い。それで午後の授業を何とか乗り切ろうとしたが。
その午後の授業でもだ、古典の授業を受けていてだ。
顔に蚊が来て血を吸って来た、それではたいたが。
蚊は逃げてだ、そして。
顔の頬の部分だけはたいて痛い思いをした、このことも不幸だった。
しかし放課後にまで何とかなった、だが。
その放課後だ、下駄箱で靴を履いてだった。外に出ようとすると。
雨だった、しかも大雨だ、。その大雨を前にしてだった。
信彦は項垂れてだ、一緒に出ようとした面々に言った。
「俺傘持ってないんだよ」
「折り畳みもか」
「持ってないんだな」
「ああ、そうなんだよ」
項垂れて言うのだった。
「仕方ないな」
「じゃあ雨が止むの待つしかないな」
「それじゃあな」
「この雨じゃすぐ終わるさ」
「勢いが強いのを見たらな」
いきなり降って来た勢いが強い雨だ、ゲリラ豪雨なのは明らかだ。
それでだ、周りも彼に言ったのだ。
「少しの間だからな」
「待ってたらいいさ」
「止むまでな」
「そうするな」
溜息と共にだ、彼は言ったのだった。
それで時間を潰そうとだ、靴を履き替えて学校の何処か気が向いた場所に行こうとした。だがここでだった。
目の前にだ、同じ学年で同じ部活に所属している宮野愛衣が来た。黒髪を長く伸ばしており頬がややふっくらとした感じの面長の顔で眉は細い。微笑んだ口元に薄いピンクの唇、鼻は程よい高さで二重の長めの睫毛を持つ優しい感じの目だ。背は一五二程で制服の上からも胸がはっきりと目立っている。
その愛衣がだ、信彦のところに来てこう言って来たのだ。
「今日部活ないわよ」
「ああ、知ってるよ」
あっさりとだ、信彦は愛衣に答えた。
「そのことはな」
「そう、じゃあ帰るのね」
「いや、帰れないんだよ」
困った顔でだ、信彦は愛衣に答えた
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