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幸せゲット
第三章

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「間違ってもな」
「そう言って男は見るのよ」
「だから見てないって言ってるだろ」
 千日間戦争の様な言い合いが続いた、最後には男子からも女子からも止める人が出て来てそれで止まったがだ。
 それでも嫌な気持ちを味わいだ、彼はまた不幸を思った。
 しかもだ、昼食の為に購買でパンを買いに行くと。
「全部売り切れだよ」
「全部?」
「ああ、そうだよ」
 購買のおばちゃんに言われた。
「運がなかったね」
「うちの購買いつもパン大分あるのに」
「実は今日ね」
「今日は何があったんですか?」
「相撲部とプロレス研究会とラグビー部とアメフト部の子達が大量に来てね」
「えっ、その四つの部活がですか」
「ああ、あと柔道部もね」
 この部活の面々もというのだ。
「大量に来てね」
「いつもそこまで来ないのに」
「それが今日は来てね」
「全部買って行ったんですか」
「ああ、そうだよ」
 それでというのだ。
「もうないんだよ」
「一個もなんですね」
「食堂に行けばいいよ」
「わかりました、じゃあそっちに行きます」
 仕方なくだ、信彦はそこに行ってうどんを食べた。だがこの時も。
 唐辛子を入れ過ぎた、それで共に食べている面々に行った。
「これもか」
「ああ、絶対にな」
「不幸だよな」
「これって絶対にな」
「購買の時と一緒でな」
「やっぱり今日の御前はドツボなんだよ」
「辛いな」
 その唐辛子、うどんの中にどっさりと入ったそれは掻き混ぜてうどんの中に入れて食べた。だがその量があまりにも多く。
 食べても辛くてだ、信彦は苦悶の顔で言った。
「暑くなってきた」
「我慢大会みたいになってるな」
「これまた不幸だな」
「とにかくあらゆる不幸が起こるな」
「これはまた何かあるな」
 周りも言う、この時は何とかうどんを食べ終えたが。
 午後の掃除の時だ、今度は。
 自分で自分の足を踏んでしまいだ、さして痛くなかったが思わず言った。
「これもな」
「ああ、半分以上不注意でもな」
「不幸だな」
「不幸なことだな」
「今回もな」
「それだよな」
「何でこうなるんだよ」
 箒でゴミをちりとりに入れつつ言うのだった。
「自分で自分の足踏むなんてな」
「小さいけれどな」
「地味に嫌な不幸だな」
「それもな」
「不機嫌になるよな」
「ああ、実際にな」
 信彦もだ、どうかというのだ。
「何か嫌な気分だよ」
「だよな、やっぱりな」
「今日の御前ドツボだな」
「大凶だぞ、絶対」
「十三日の金曜日だな」
「しかも仏滅のな」
「まああと少しだからな」
 自分に言い聞かせる様にしてだ、信彦は言った。
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