4.姉ちゃんはヒーロー
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母さんに拍手!! 来年の母の日は奮発してカーネーション200本を送ろう!!
「それにしても……ウヒヒヒヒ……」
「ん?」
比叡さんは急にさっきの気持ち悪い笑みを浮かべ始めた。ひょっとしてぼくがヤキモチ焼いたのがバレたのか?
「どうしたの?」
「いやぁ……シュウ君が私の弟なのか〜と思って……ドュフフフフフフ……」
よかった。ぼくがヤキモチを焼いたのはバレてないようだ……いやちょっと待て。それは大丈夫だったけど、なんか話がおかしな方向に進んでるぞ?
「いや、あれはほら比叡さん、言葉のアヤというやつで……」
「榛名とか霧島とか妹はいたけど……シュウ君が弟か〜……んっん〜ふっふっ」
比叡さんはニヤニヤと笑いながらぼくのことを見つめている。なぜだ。こんなにキレイな人に見つめられているのに、そのギャグ漫画としか思えない比叡さんのニヤニヤとした気色悪いにやけヅラのせいで、まったくドキドキしない。
「シュウ君!」
「はい?」
「今日から私の事、“お姉ちゃん”って呼んでもいいよ!!」
ちょっと待て。
「なんでッ?!!」
「え〜だって私、シュウ君のお姉ちゃんなんでしょ〜?」
「だからそれは言葉のアヤってやつだよッ!!」
「だから恥ずかしがらなくてもいいよぉシュウく〜ん。ウヒヒヒヒヒヒ」
「……絶対呼ばない」
「えー……しょぼーん……」
目に見えて比叡さんがガックリと肩を落として落ち込んだ。落ち着け。これは罠だ。こうやって僕の罪悪感に致命的なダメージを与えて、僕に『お姉ちゃん♪』て呼ばせる作戦なんだッ!!
「せっかく弟出来ると思ったのに〜……」
「だから言葉のアヤなの! あのピッチャー野郎と戦ってたの僕は!!」
「ちぇ〜……」
さっきまで落ち込んでたかと思ったら、今は目に見えてイジケている。あからさまに口を尖らせてヘソを曲げ、こっちに目線を合わせようとしない。比叡さん、あなた五歳児ですか……。
その後家に帰り、ぼくたちは夕飯までの間にシャワーを済ませた。先に比叡さんがシャワーを浴び、その後僕がシャワーを浴びたのだが、比叡さんはぼくが入浴している間に居間で寝てしまっていた。着ているTシャツがめくれ上がり、おなかが盛大に見えている。開いた口からはヨダレが垂れて幸せそうな寝顔をしているけれど、これはどう見ても五歳児の寝相だ。
「このままじゃお腹壊しちゃうよ比叡さん……」
僕は自分の部屋からブランケットを持ってきて、比叡さんのおなかにかけてあげた。さすがにめくれ上がったTシャツを元に戻す勇気は僕にはない……
「んーふふふふふ……お姉様……」
比叡さんがそんな寝言を口走っていた。そういや姉妹がいるって言ってたな……何人姉妹なんだろう?
「んふ
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