第六章
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「この感じはね」
「そうよね」
「神様が違う」
「インカの神様よね」
「その神様を祀るみたいな」
「そんなお祭りよね」
「はい、さっきもお話しましたが」
ここでだ、ガイドがまた二人に話した。
「このお祭りは独特でして」
「インカ帝国のですか」
「その流れが入ってるんですね」
「そうなんです、宗教は確かにカトリックですが」
それでもだというのだ。
「この村は近くにマチュピチュもありますし」
「インカ帝国ですか」
「その文化が残っているんですか」
「それがこのお祭りです、あと残っているのは文化だけじゃないですよ」
「っていいますと」
「他には」
「この祭りの深まりだと降りますよ」
ガイドは目を細めさせていた、その花達が舞い人々が歌い踊り音楽と美酒、馳走で満たされたその祭りを見つつ。
「もうすぐ」
「もうすぐ」
「もうすぐ何がですか?」
「それが見てのお楽しみなんです」
ガイドがさっき言った通りにというのだ。
「では御覧下さい」
「何かわからないですけれど」
「それじゃあですね」
「はい、御覧になって下さい」
その何かをというのだ、そうしてだった。
二人は祭りを見ていった、すると。
ファナはふと気付いた、踊り舞う村の人達の中に。
この辺りの服、だが明らかに違う一際着飾った感じでだ。顔立ちも純粋のアジア系の顔立ちである美女がいてだった。
村の人達と共に踊りだした、その美女の他にも。
様々な着飾ったアジア系の顔の老若男女がいた、中には白い肌に長い髭を持つ男もいた。
その男を見てだ、ルチアーナは言った。
「まさか」
「どうしたの?何か急に見慣れない人達が出て来たけれど」
「あの白い肌のお髭の人よ」
「あの人がどうかしたの?」
「ほら、マヤの方のね」
「マヤってメキシコの方の」
「あちらの神様だけれど」
それでもというのだ。
「ケツアルコアトルなんじゃ」
「あの神様って確か」
ファナもケツアルコアトルのことは知っている、中南米の神話に出て来る古い神だ。だがその神の姿は。
「緑の翼を持ってる神様よね」
「そうよ、けれど人の姿にもなって」
「人としての姿がなの」
「あの姿なのよ」
白い肌に長い髭を持ったものだというのだ。
「そうした姿なのよ」
「そうなのね」
「そう、それでね」
「あの人がなの」
「そうじゃないかしら」
「そうだとすれば面白いですね」
ガイドはここでも笑って言うのだった。
「そうですよね」
「いや、まさか」
「けれどそんなことが」
二人はここでだ、現実に戻って言った。
「あるんですか?」
「インカの神様が本当にいて」
「それでお祭りに人と一緒に遊ぶなんて」
「そのことが」
「キリスト教の神も
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