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ルネサンス
第三章
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 そのことについてだ、私は一緒にツアーに来ていた人達に食事、勿論パスタをワインで楽しみながら言った。
「この目で見ますと」
「違うっていうのね」
「貴女今回のツアーでいつもそう言ってるけれど」
「ダ=ヴィンチやミケランジェロは」
「実際で見ると余計に素晴らしいって」
「それで今もそう言うのね」
「はい」
 その通りだとだ、私は同じテーブルに座っているおばさん達に目を輝かせて答えた。ツアー客の中では私は一番若かった。
「素晴らしいです」
「ううん、確かに素晴らしいけれど」
「ちょっと感激し過ぎるんじゃないかしら」
「幾ら何でもね」
「そこまでは」
「自分でもそう思っていますけれど」
 それでもだった。
「本当にそう思いますので」
「だからなのね」
「そう言うのね」
「はい、何か幾ら見てもです」
 じっくりと作品の一つ一つを巡っている、けれどそれでもだった。
「最高です」
「そう言うのね」
「何か見られて本当に嬉しいのね」
「そこまでなの」
「嬉しいのね」
「そうなんです」
 パスタ、トマトとガーリックを効かしていてオリーブをたっぷり使ったスパゲティを赤ワインと一緒に楽しみながら言った。
「イタリア最高ですよね」
「特にルネサンスが」
「芸術が最高だっていうのね」
「この目で見られて幸せです」
 だからだった、私はおばさん達にこうも言った。
「フランスにも行きたいですね」
「あっ、ルーブルね」
「ルーブルの美術館にも行きたいのね」
「モナリザがある」
「あの絵も見たくなりました」 
 ダ=ヴィンチの代表作のだ。イタリアではなくてフランスにあるのが考えてみれば不思議なことだけれど。
「だからまたお金を貯めて」
「今度はフランスなのね」
「あの国に行きたいのね」
「はい、行きたいです」
 私はその気持ちを偽ることなく言った。
「またお金貯めます」
「じゃあアルバイト頑張ってね」
「そこもね」
「それで楽しんでね」
「フランスの方も」
「そうさせてもらいます」
 私はツアーを一緒に楽しんでいるガイドさん達に答えた。そしてだった。
 北イタリアのツアーを楽しんでそこにあったルネサンスの芸術作品を心ゆくまで」楽しんだ、目だけでなく心も楽しんだ。
 私は日本に帰ってからだった、またアルバイトをはじめてだった。
 今度はフランスのルーブル美術館に行った、そこでモナ・リザとかも見た。
 それでだ、友達皆に笑顔で言った。
「ルーブルもよかったわ」
「ああ、今度はフランスに行ったのよね」
「モナリザを見に」
「イタリアだけじゃなくて」
「そっちにも行ったのよね」
「正直パリは寒くてローマよりは快適じゃなかったけれど」 
 調べたら北海道より北にあった、道理で寒い
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