五弾 眠り姫とメッセージと……
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は武装探偵の祖。『シャーロック・ホームズ』についての物語だぞ。
このシャーロックっていう奴はな、何でも拳銃や剣術、バリツの達人で俺やトレインがいる学校が教えている武装探偵とかいうやつの元になった人物でな。
イギリスとかいう国で卓越した推理と洞察力を持った英雄の一人……」
俺はここ最近の日課になりつつある眠り姫への子守唄代わりの音読を始めた。
本来ならもう少し早く来る予定だったが、今日は運が悪く、教務課に来ていたミナツキ・サヤにトレインの事を質問攻めされるわ。残っていた武偵高の怖い先輩方に飲みに誘われて居酒屋に連れ込まれるは、メアド交換を強要されるわ。全くひどい目に遭ったな。
教務課に来たミナツキを囮にして、トイレに行くフリをして脱出できたがあのままいたら朝まで帰れなくなるからな。
ミナツキを残してきた事には罪悪感があるが、あのトレインに影響を与えた彼女なら大丈夫だろう……多分。
しかし、なんというかイヴの寝顔を見ていると安心するのはなんでだろうな。
この純粋無垢な顔を守りたいと庇護欲を増すのは相手がイヴだからだろうか?
これが子供を持つパパの心境か。
はっ?? って待て!
誰がパパだ!
俺はまだ独身の紳士だ!
パパじゃねえ!
しかし、やっぱりイヴは可愛いなー。
長い金髪に、薄い赤い色の瞳。
世間的には美少女だな。
街を歩けば男共が振り返り……なんか、殺意が湧いてきたな。
駄目だ! 駄目だ!
まだイヴには早い!
おっと、いかん。いかん。
変な事を考えている場合じゃない。
今はイヴとの貴重な時間だ。
俺はイヴが眠るベッドの隣りに椅子を並べて座りシャーロック・ホームズの物語を聞かせながら心の中ではイヴに語りかけていた。
なあ、イヴ。
このまま、寝たきりって事はないよな?
俺は待ってるからな。
お前が目覚めてまた元気に動き回るのを。
俺は知っているからな。
お前がナノマシンなんかに負けない、強さを持っているって事を。
俺は知っているぜ。
お前が過去を忘れずに、だけど過去に囚われる事なく前へ進んでいけるって事を。
俺は知っているんだ。
お前がトレインを越えて、いつか俺の相棒になりたいって思っていてくれた事もな。
______だから……
「早く目を覚ましてくれよ。
眠り姫」
『……久しぶりよのう……黒き猫よ……』
画面に映るソイツはまるですぐそこにいるかのような存在感を、まるで自身が世界を支配をしているような威圧感を放って語り出した。
「へっ、誰かと思えば……まさか、クロノスの最長老自らおでましになるなんてな」
クロノスの最長老……確か名前はウィルザークとか言ったけな。
『これを見
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