暁 〜小説投稿サイト〜
姉ちゃんは艦娘
2.姉ちゃんはよく食べた
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「比叡ちゃん? ご飯のおかわりは?」
「あ、大盛りでおねがいします!」
「なんならお茶碗、どんぶりにする?」
「よろしいんですか?!!」

特に大柄というわけじゃないのに、この身体の一体どこにこの大量のご飯が消えているんだろう……割りと細っこい身体してるし比叡さん……

「えーと……んじゃ、比叡ちゃんはどこに住んでるのかな?」
「鎮守府に住んでます。私達の住居兼前線基地ってとこですね」
「チンジュフ……?」
「これもご存じないですか? やっぱり近くじゃないのかな……“叢雲たんチュッチュ鎮守府”ってところなんですけど……」

“鎮守府”とやらが一体どんな施設なのか僕は知らないが、そんな名前の施設の所属になんてなったら、僕なら自殺してしまう自信がある。なんだそのヒドい名前の施設は……いやそれ以前にそんな名前の施設に所属することに対する抵抗はないんですか比叡さん。

「えーどうして? みんな優しいし、いいところだよ?」
「いや、そういう問題じゃないです……」
「比叡ちゃん、サラダはどうする?」
「おかわりください!」
「だけどホントによく食べるわね?」
「はい! お母様のお料理、とても美味しいですから!!」
「そう言ってくれると作った甲斐があるわぁ?」

なんだか母さんは顔をツヤツヤさせていた。確かに比叡さんの食べっぷり、キモチイイもんな……

 その後も比叡さんは何杯もご飯をおかわりし、ハンバーグを8つぐらい食べ、さらにサラダも3回ほどおかわりしていた。僕はその光景を見ながら、今日社会の授業で習った『エンゲル係数』という言葉を思い出さずにはいられなかった。つーかよくそんだけ準備してたな母さん……。

 食事が終わった後も話し合いの続きだ。僕達はそのまま食卓でお茶を飲みながら、今後のことを話し合うことに。比叡さんはデザートなのか、母さんからダメ押しの羊羹をもらい、それをニマニマしながら頬張っている。まだ食べられるんですか比叡さん……

「それにしてもあれだな……話は要領を得ないし、比叡さんの家の……なんだっけ」
「“叢雲たんチュッチュ鎮守府”です」
「そうそう。そこの住所も連絡先も分からん。どうしたもんか……」

僕が間違ってるのか?! なぜ誰もそのけったいな名前に突っ込まないんだッ?!

「すみません……ご迷惑をおかけして……」
「いやそれはいいんだけど、比叡ちゃんも不安だろう帰る場所が分からないと」
「はい……司令やお姉様も心配してるだろうし……」

さっきまで羊羹を頬張りながらニヨニヨしてるかと思えば今度は酷く落ち込んでいる。本当にこの人は表情豊かな人なんだなぁと感心する。

「本来なら警察に引き取ってもらうのが一番いいんだが……」
「警察なら一回電話で相談したけど、信じ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ