1.姉ちゃんは神社にいた
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んで、うちに来て下さい。ご飯食べましょう」
「そ、それはありがたいんですけど……ご迷惑では……?」
「母さん、もうその気になってますし。それに、このままじゃ風邪ひきますよ。警察に行くにしても、ご飯食べてお風呂入ってからでも遅くはないです」
タイミングよく、彼女の腹の虫が再び鳴いた。なぜ彼女の一挙手一投足はこうも面白いのか。神がかり的なタイミングってきっとこういうことを言うんだろうなと、僕は心の中でこっそりと感心した。
「あう……」
「ブフッ……ほら、とりあえずうちに来て下さい」
「じ、じゃあ、ご馳走になります! ありがとうございます!!」
その後、僕は彼女と相合傘で家に向かった。これは完全に余談だが、ぼくはこれが生まれて初めての異性との相合傘で少し緊張していた。幸か不幸か、僕と彼女は身長差があまりなく、おかげで相合傘はしやすかったけど。ただ、彼女の背中の機械が肩にコツコツ当たるのがちょっと痛かった。
「そういえば、キミの名前は何ていうの?」
彼女の緊張もほぐれてきたようだ。さっきまで敬語だったのに、僕に対してタメ口で話すようになってきた。
「僕ですか? 橋立です。橋立シュウです」
「シュウくんかー。変わった名前だね」
「あなたは?」
「私はコンゴウお姉様の妹分! 巡洋戦艦、ヒエイです!!」
彼女は空手の『押忍!!』のようなポージングをしながらそう答えた。ポージングは置いておいて、『あなたの名前の方が変わってますよ』という言葉が喉まで出かかったのを、僕は必死にこらえた。
あと気のせいだと思うけど、彼女が名乗った時、なぜか彼女の背後に万国旗と砲撃する戦艦の姿が見えた。
……そういや、なんか聞いたことある名前なような?
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