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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
117 黒白剣舞(モノクロ・ダンス)
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! もっと速く…っ!」

譫言(うわごと)の様に呟くキリト。1つ…2つ…3つ…4つ…5つ…、と《ザ・グリーム・アイズ》を斬り付けて確実にダメージを与えていく。しかし“スターバースト・ストリーム”は足を止めて%W開しなければならないので、キリトもダメージを負っていく。

“スターバースト・ストリーム”の16撃目が《ザ・グリーム・アイズ》を叩き込まれる。しかしあと一撃で無くなる≠ニいう程度のHPが残ってしまった。

「ごめん、アスナ」

技後硬直。動けなくなっている身体で──《ザ・グリーム・アイズ》から唐竹割りに振り下ろされる凶撃を見ながら、キリトは最愛の女性>氛气Aスナへと謝罪する。

「駄目ぇぇぇえっ!」

そんなアスナの絶叫を聞きながらキリトは意識を手離した。

SIDE END

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

SIDE 《Kirito》

(俺は…生きてるのか?)

最後の記憶はボスから振り下ろされる攻撃──そして、アスナの絶叫だった。

「……□リ□□ん…! ……□リトくん…!」

(この声はアスナ──か?)

「ア…スナ…?」

「……キリト君っ! 目を覚ました! キリト君、生きてる…っ!」

「そうか…俺は…」

状況を把握。アスナには顔を覗き込まれる様な恰好で膝枕をされている。そして近くには≪風林火山≫の皆が居た。残り僅かしかなかったHPバーも満タンになっていた。

……どうにも話を聞けば、回復し終わったアスナが俺が死ぬ前にボスへのラストアタックが間に合い──そして、先ほどまでの結晶無効化空間≠ヘボスの討伐と共に消えたらしい。

………。

……。

…。

「………」

「………」

ボス戦の余韻も覚めて──クライン達に礼を言いつつ75層の解放を頼んだ頃。俺とアスナの間には得も云われぬ沈黙が流れていた。

「ねぇ、キリト君」

「何だ、アスナ」

「……1週間で良いの。……攻略から離れよう? ……キリト君が死んだと思った時、すっごく怖かったの」

「……そうするか」

沈黙を破ったのアスナで──アスナからそんな提案があった。アスナの声音含まれる感情が理解出来たので、承諾。

(そろそろ、進んでいいよな?)

「……俺もアスナが飛ばされるのを見た時は、気が気じゃ無かったよ。……アスナ、今夜一緒に居て欲しいんだ」

「……はいっ」

俺の頼みに、アスナは(こころ)く頷いてくれた。……そして今夜、漸くアスナと色んな意味≠ナ結ばれたのだった。

SIDE END
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