【ソードアート・オンライン】編
116 感謝の言葉
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ュウはHPバーがゼロになってナーヴギアが脳を焼き切るであろう今際の際に、笑顔≠ナそんな事を宣った。
……そう笑顔≠ナ、だ。
(……悔いるのは後にでも出来る…っ!)
「shit…、ここまでか…」
声がした方向──《PoH》を見れば、麻痺付きピックが当たったのだろう──《PoH》は無様を晒していた。
《PoH》の背後を注視して見れば、そこにはしたり顔のランが居た。……当てたのはユーノではなく、ランだった。ユーノと俺を囮にして、《PoH》を背後から隠蔽≠ナ潜み、隙を見て麻痺付きピック≠ナ狙え≠ニ云う命令がここになって活きた。
「やっぱりその目≠ヘ俺達と同類≠セぜ」
「………」
《PoH》の言葉に何も返さない。今の俺のテンションではそれくらいの事しか出来なかった。
(……じゃあな)
内心で一言だけ人殺し(どうるい)≠ノ別れを告げる。虚無感やらが襲ってくる自身を奮い起たせながら横たわっている無抵抗な《PoH》傍に立ち、そのまま《PoH》の胸に槍を突き立てた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
あの狂乱の戦闘から約24時間が経過している。シリカ、リーファには小言を貰ったがそこは華麗にスルーしつつ、なんとか有耶無耶にした。
≪笑う棺桶(ラフィン・コフィン)≫討伐戦>氛气Nラインやディアベル真に信を置ける者を引き連れて行った電撃作戦。
≪笑う棺桶(ラフィン・コフィン)≫の首魁である《PoH》の討伐と、ジョニー・ブラックと≪赤目のザザ≫の捕縛と云う華々しくもある戦果と、被害──討伐隊の$死者0と云う結果だけを見れば今回の討伐戦≠ヘ大成功に終わったと云えるだろう。
……そう、それは結果だけを見れば≠フ話。
リュウを殺してしまった。……状況を鑑みれば、正当防衛になるのだろうが、正当防衛≠ヘ有事の際に人を殺しても罪になりにくい≠セけで人を殺してもいい≠ニいう免罪符にはならない。
(それより──ありがとう=Aか…)
―ありがとう=\
―ありがとう―
それはハルケギニアに初めて転移した時に、俺の心に楔を打ち込んだ──未だに名も知らぬ少女からの呪縛=Bリュウの辞世の言葉が俺のその──錆び付きかけの楔を揺らしたのだ。
「……ティーチ君、大丈夫?」
「ちょっとしたトラウマを揺り起こされただけだから大丈夫だよ、ユーノ」
「全然大丈夫じゃないよね?」
悲鳴を上げる心を騙しつつ、昨日の今日だが──今日も今日とて攻略に繰り出すのだった。
SIDE END
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