暁 〜小説投稿サイト〜
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
114 見てみぬ振りのツケ
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終えた後、一旦シリカに向き直る。……シリカには幾つか訊きたい事があったからだ。

「……まずは訊いて良いか? ……どうしてシリカは《プネウマの花》を手にしてすぐに転移結晶を使わなかったんだ?」

「……それは前にユーノさんが転移結晶を悪戯(いたずら)に使った時、ティーチさんが凄く怒っていたので使えませんでした。……カインさんと一緒だったからダンジョンも楽にクリアー出来たのもありますし…」

(……俺の所為でもあるのか…)

「ティーチ兄ぃ…」

リーファからジト目が飛んできたので、それを甘んじて受け入れる。……カインが死亡した理由の一端は俺に関係しているのは間違いないからだ。……もちろん、一番悪いのは殺人者(レッド)≠ネのだが…。

(……いや、待て待て。……そもそもの話で──どうして殺人者(レッド)≠ヘシリカが【思い出の丘】に行くのを知っていた…? ……いや、それよりも──なんでシリカが転移結晶を使う事を自粛(じしゅく)している≠ニ知っていた?)

シリカが使い魔を無くしているのは(グリーン)の皮を被った(レッド)≠ノ見付かったと云う可能性が一番濃い。

(……それはまぁ良しとしておく。いや、良くないが、後回しにするしか無い)

そして更に気になった事もある。……間違いなくレアアイテムに分類されるであろう使い魔蘇生アイテム=B……《プネウマの花》をシリカが入手したら、直ぐに転移結晶を使う可能性の方が高かったはず。

……それが意味しているのはつまり…

(≪DDD(うち)≫に殺人者(レッド)≠フ内通者が居る──か…)

「ユーノ」

「何、ティーチ君」

「……後で執務室に来てくれ。殺人者(レッド)≠ヌも──≪笑う棺桶(ラフィン・コフィン)≫どもを狩る℃Z段を立てる」

「判った。……こんなマネ≠ヘこれ以上許していては攻略に専念出来ないしね──それに、これはボクたちへのツケだよね。……あんな奴ら≠このアインクラッドでのさばらせておいた事のね…」

俺の宣言にユーノはいつものほんわりとした雰囲気とは違った──怜悧(れいり)な印象を抱かされる声音の賛同と共に頷く。……周りの人物も──リーファやシリカですら頷いている。

(……ユーノは兎も角、アスナやリーファ達に人斬り≠ネんてさせないけどな)

俺はそんな決意をしつつ──そんな決意とは反比例に、どうしょうも無い現実に打ちのめされるのだった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「……で、わざわざ≪DDD(うち)≫の本部から貴重な転移結晶を使ってまで、ティーチ君は何がしたかったの?」

「……単刀直入に言う。……俺は≪DDD(うち)≫に羊の皮を被った狼≠ェ居ると思っている」

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