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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
112 とりあえず一件落着
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……っ…」

私の鸚鵡(おうむ)返しにティーチ君は1つ頷き──更に続けたティーチ君の顔は見ていられないものだった。……私がティーチ君にそんな表情をさせてしまったのだ。……そこで私は姉の想い人にとんでもない事をしでかしてしまった事を漸く理解する。

……ティーチ君にどんな言葉を掛けて良いか判らなかった。

「……どうせ別れがくるなら誰も愛したくない──だからユーノを遠ざけていたんだよ。……もうあんな想い≠するのは懲り懲りだからな」

「………」

「………」

ティーチ君の語り振りに私とキリト君は2人揃って閉口してしまう。……どうやらよりティーチ君に近い筈のキリトも、今のティーチに掛けるべきであろう言葉を見失っているみたいだ。

……人には言いたくない事がいくつかはある>氛氓サんな当たり前の事すら判らなかった。……いくらティーチ君がお姉ちゃんを遠ざけている理由がそこ≠ノ起因するのを知らなかったとは云え──私の浅薄な問い詰めが、ティーチ君の心傷を抉ってしまった事には変わりない。

「……あっ、そういう事か」

いざ探り探りにティーチ君に謝罪しようとしたが、ティーチ君はいきなり声を上げて、自己解決をした様な顔つきになった。

「……改めて考えると、グリムロックへの言葉はグリムロックの瞳に映っていた俺自身への糾弾≠セったのかもしれないな」

腕を組みながらティーチ君はうんうん≠ニ何度も頷く。……その表情は、先ほどまでの張り詰めたそれ≠ナはなく、いっそ清々しいもので──私とキリト君はどこか彼方に置いてきぼりになっていた。

「……すっきりしたぁ。他人ならまだしも、自分を切開≠キるなんてマゾい行為だと思っていたが、意外とやってみるもんだな。……ありがとう、アスナ。ユーノとは俺も、もう少し真剣に向き合ってみるよ」

「え、ああ、そう? なら良かったけど…」

「そういえば、キリトは俺に聞きたい事があったんじゃないのか?」

「……いや、俺はティーチがグリムロックに言った事が聞きたかった
だけだから、大丈夫だよ」

ティーチ君はキリト君に──実は私も気になっていた事を訊ねるが、キリト君はキリト君で、ティーチ君に訊きたかった事は聞けたらしい。

「それじゃあ、俺は行くよ。じゃあな」

ティーチ君は私達に背を向けると、軽快に走り去って行った。

SIDE END

SIDE 《Kirito》

「………」

「………」

軽快なステップで去って行ったティーチだったが、取り残された俺とアスナの間には言い様の無い雰囲気が漂っていた。

そしてアスナが、いつぞやの様に語りだす。

「キリト君はさ、好きな人の、今まで知らなかった一
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