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剣の丘に花は咲く 
第四章 誓約の水精霊
第八話 闇からの誘い
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ない発言に、キュルケが慌ててルイズの口を塞ぐ。いつにない焦りを顔に浮かべたキュルケは、小さなルイズの体をガクガクと揺さぶっている。

「ちょ、ちょっと落ち着け二人共。まずはキュルケだ。ルイズが気絶するぞ」
「はっ、ご、ごめんなさい。ちょっとびっくりして」
「ケホッ、けほ……うう、何するのよキュルケ」
「あなたがいきなり変なこと言うからでしょ。もうっ、そんな変なこと頼むわけないでしょ」

 むせながら非難がましい視線を向けてくるルイズに、キュルケは顔を真っ赤にしながら文句を言う。赤くなっているのは、急な運動のせいか、それとも……。

「はあ、もうびっくりした。もう、そんなに隠すようなものなの? もう、あの女王様とゲルマニアとの婚約は破談になったんだし」
「それは……そうだけど、でも――」

 肩を竦めるキュルケに、視線を逸らしながらルイズが何かを言おうとしたが、キュルケはそれに気付かず話しを続ける。

「それに、ウェールズ王子も生きてるみたいだし、今度婚約発表でもあるんじゃないの?」
「スキャ――は?」
「何だと」
「な、何よ? どうしたのよ?」

 何でもないことのように言ったキュルケの言葉に、士郎とルイズが凍りついた。意味が分からないとキュルケを見るルイズ。寒気の様な嫌な予感を感じ、睨みつけるようにキュルケを見る士郎。
 士郎達の視線の強さに驚き、戸惑うキュルケに対し、士郎は体ごと振り向くと、真剣な目で問いただした。

「ウェールズ王子は死んだはずだ。生きていると言うのはどういう事だ? それに婚約発表だと」
「ちょ、ちょっと待って士郎。敗戦で死んだって公布はあったけど。ウェールズ王子が死んだって確証はないじゃない?」
「そんなはずない……だってウェールズ様は、わたしの目の前で……」
「そうだ、ウェールズ王子が死んだのは俺が確認した。生きているはずがない。何故、生きていると?」
「え、死んだ? 確認したって? ど、どう言う事?」

 真剣な表情をした士郎とルイズに迫られ、怯える様子を見せるキュルケに気付いた士郎は、落ち着かせるように、キュルケの両肩を叩いた。

「すまん。びっくりさせてしまったな」
「え、ええ。大丈夫よ。少しびっくりしただけだから。でも、ウェールズ王子が死んだのを確認したって、どう言うこと?」
「覚えていないか? アルビオンに一緒に行った時のことを、その時ウェールズ王子が死んだのを確認したんだ」
「そうよ、ウェールズ王子は死んだはずよ。何で生きてるって……」
「ああ、あの時……でも、わたしウェールズ王子をこの前見たんだけど?」

 大分落ち着いた様子を見せたキュルケが、訝しげにポツリと呟く。

「見たというが、一体どこで見たんだ? そもそも、ウェールズ王子の顔を知って
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