第四章 誓約の水精霊
第八話 闇からの誘い
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ベンチに腰掛けた。足をぶらぶらとさせながら、月を見上げるルイズ。
「久しぶりに見たけど、ラグドリアン湖はやっぱり綺麗だったな」
「ん? ルイズはラグドリアン湖に行ったことあったのか?」
「三年くらい前にね。……ああ、そう言えばその時だったわね、姫様とウェールズ様が出会ったのは」
「どういう事だ?」
「その頃、ラグドリアン湖で盛大な園遊会があってね、それにウェールズ様も参加していたのよ。わたしも姫様のお供でついて行ったんだけど……夜中になるといつも、散歩に行きたいから、その間身代わりにベッドに眠っていてって言われていたのよ」
懐かしげに目を細めるルイズ。
「今思えば、ウェールズ様と逢引していたのね……」
顔を俯かせ、悲しげな声を漏らすルイズに、士郎は労わるようにそっと手を肩に置く。肩に置かれた手に自分の手を重ねると、ルイズは士郎を見上げ、優しい笑顔を向ける。
「ありが――」
「ねえ、ウェールズ様って、アルビオンのあのウェールズ様のこと?」
「あ」
「あ」
「ん?」
唐突にキュルケに声をかけられたルイズは、士郎に向けた笑顔を凍りつかせた。ギギギと錆びついた機械の様にゆっくりとキュルケに向けるルイズ。顔をヒクつかせるルイズに、キュルケは首を傾げる。
「き、聞こえてた?」
「何言ってるのよ? さっきからここにいるんだから当たり前でしょ。でも、あのお姫様、って、今は女王様ね。が、アルビオンのウェールズ王子と……ああ、だからね」
「キュルケ、すまないが聞かなかったことにしてくれないか」
キュルケは何やら一人で頷きながら納得している。士郎は迂闊すぎる自分に罵声を浴びせながらキュルケに振り向く。士郎の懇願に、柔らかな唇に人差し指を当て、キュルケは下から覗き込むように士郎を見上げた。
「ふっふっふ。どうしようかなぁ〜」
「キュルケ頼む」
「そうねぇ。シロウがわたしの言うことを一つ何でも聞いてくれるならいいけど?」
「ん? ああ、それぐらいなら、いい――」
「ッダメよっ!」
キュルケの要求に、それぐらいならと軽い気持ちで頷こうとした士郎に、ベンチから勢い良く立ち上がったルイズが意義を唱えた。
「何よルイズ。これはわたしと士郎との話しよ。あなたは関係ないでしょ」
「関係あるわよっ!! シロウはわたしの使い魔よっ! あなたのお願い何て一体何を要求するかわかったもんじゃないわよッ! シロウの○○○を○○にして、○○で○○○○すること要求するんじゃないのッ!!」
「「ッぶふっ!!」」
「さらに、シロウの――ふぐ」
「待って待ってルイズ。流石にそれはちょっとやばいやばい。いくらわたしでも、そんなこと頼むわけないでしょっ?! 何言ってんのよもうっ!!」
ルイズのとんでも
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